第1話
文字数 382文字
頭の中でぽかんと浮かんできた言葉を適当に言ってみた。
いきなり何を言っているの?大丈夫?正気?頭イカれたの?泳ぐ時期過ぎてるんですけど?っと、そんな顔をしてくる助手、別に気にはならない。
ここ暫く仕事は舞い込んで来ない。文字どおり暇である。これと言ってする事もなくただ事務所に籠ってお茶をしたり新聞読んだり助手と物まね対決するのも飽きた。
気が変わらないうちに自室に戻り準備した。
自前の釣り道具一式、自転車に積み込んだ。
「何ぼーとしてるんだ、どうせ暇だろ行くぞ」
「私も行くのですか」
「別に嫌なら来なくていいぞ。ただ釣れれば旨い飯にありつけ…」
「行きます!準備します!置いてかないで!」
自転車の荷台に助手が座った。
「さあ出発です!ご馳走を釣り上げましょう!」
ここから帝都内の港でも一時間はかかる、体力が持つかどうか…
(本当、歳をとりたくないね…)