第1話
文字数 314文字
机にもたれて寝ていた、代わり映えのない事務所の風景だ。
時間を調べる、壁掛け時計は午後三時丁度指していた。
またか…
探偵は机の引き出しを開いた。
請求書や新聞の切り抜きが乱雑に押し込まれている中に手を入れた。
そしていぶし銀に光る回転式の拳銃を取り出した。
いざというときに隠し持っていた奴だ。
探偵はゆっくりと撃鉄を起こした。
そして自らのこめかみに当てた。
そのまま引き金に指をかけた。
躊躇なく引き金を引いた。
探偵は目覚めると机にもたれてかけていた。
時計の針を確認した三時丁度。
既に手には拳銃が持たれていてこめかみに当てていた。
(はぁ、これで九回目…)
銃声が鳴り響いた