ドラマの構成はポエムとは違う
文字数 457文字
納得しないで不貞腐れてみせる僕の顔なんか見もしないで、かすみセンパイは制服の小さな背中を向けた。まだ衣替えじゃないので、紺のブレザーだ。早くブラウスになってほしい。
そう言いながら、凄まじい勢いで黒板にカッカッと字を書き並べる。その端っこまで書いて振り向いた。ぜーはー言いながら、チョークで黒板を叩く。
カン、という音で、そんなセンパイに見とれていた僕は我に返った。
カン、という音で、そんなセンパイに見とれていた僕は我に返った。
かすみセンパイが窓から離れると、そこには、大きく、こう書かれていた。
起 大阪本町 糸屋の娘
承 姉は十六 妹は十四
転 諸国諸大名は弓矢で殺す
結 糸屋の娘は目で殺す
僕の素朴な疑問を、かすみセンパイの命令が低い声で遮った。
有無を言わさない叱咤で質問を封じられた僕は、仕方なくぼぞぼそと読んでみた。でも、かすみセンパイは承知しない。