ベッドの上のセンパイ
文字数 499文字
2つ目のシーンを書き終わって、僕は背後にセンパイの気配がないのに気がついた。昼過ぎまでセンパイは、一行書くごとに小うるさく書き直しを命じていた。その声がいつの間にか聞こえなくなっていた。道理で作業が進んだわけである。
だが、いくら書けても、かすみセンパイのOKが出なければ意味がない。
だが、いくら書けても、かすみセンパイのOKが出なければ意味がない。
キーを叩きながら声をかけると、低い叱咤の声が飛ぶ。
思わず身体をすくめたが、その声は僕の背後からのものではなかった。
ちらりと振り向こうとすると、また叱られた。
ちらりと振り向こうとすると、また叱られた。
やっぱり監視されてた……。
再びパソコンに向かう。
そりゃ、センパイだって一休みしたいだろうなと思いながらキーを叩き続ける。
あとでまとめて書き直す羽目になるかもしれないが。
でも、何でそんな効率の悪い事を……? 最初に全部書いてきたときは、あんなに怒ったのに……。
え……?
センパイの眠たげな声に誘われて、つい、そっちを見てしまった。
その一喝は、とてもベッドの上で睡魔に襲われている人の声とは思えなかった。