ジグソーパズルのあとのご褒美
文字数 375文字
センパイは舞台の端にナナメ線を引いて、「花道」と書いた。
引き割り幕の奥に、再びおおきなマルが描かれた。
そうは言ったけど、僕のアイデアを形にしてステージに立ち上げていくセンパイに、実はドキドキしていた。そりゃ、センパイは可愛いけど、そういうのとは何か違う昂奮があった。
かすみセンパイは引き割り幕の奥から、花道へ矢印を引いた。
ムッとしてみせる顔は、ちょっと笑っていた。どこへ行くのかさっぱりだった演出プランがあっさりまとまって、ほっとしたんだろう。