キャラと呼んではいけない理由
文字数 462文字
タイクツ、と言われたキャラは、かすみセンパイの手でメモ書きされて、ご丁寧にも顔イラスト付きで僕の目の前にある。
センパイはそれをひとつひとつ指差しながら、僕が徹夜で考えて、力の限り説明したキャラ設定を、たった一言ずつで斬って捨てた。
さらにご丁寧なことに、いちいち声色まで変えて。
器用なことに、老若男女、自由自在に演じ分けたセンパイは、いま声優のオーディション受けても一発で受かるんじゃないかって気がした。
反論しようとしたが、言われてみればその通りだった。そこで僕は素直に言った。