センパイのスパルタ宣言

文字数 381文字

 センパイは言葉を続ける。
今日からアタシが舞台監督。アンタの台本、何が何でも完成させるってことで立候補したんだ。台本完成まで、稽古はずっと基礎練習だけってことにしたから。
何で……。

 素朴な疑問は、センパイの説教で粉砕された。

アンタのそういう無責任な態度が許せないの、アタシは! だいたいね、今から台本探して上演許可取ってたら稽古いつからになると思ってるの! 作者だって忙しいの! 許可貰うのに最悪1ヶ月かかるのよ! 
 何でそこまで、とか、既成の台本じゃいけないんだろうか、とかいう反論の余地はなかった。
すんません……。
そのくらいなら……。
(……「その」ってどっちの意味だろ?)

 「謝るくらいなら」と「作者の許可取るくらいなら」の両方の意味に取れる。

 その判断がつかないうちに、センパイは上から目線で、ばん、と机を叩いた。

連休までにアタシが書かせる。覚悟しなさい。
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登場人物紹介

真崎周平(まさきしゅうへい)


やる気なし、その場にいるだけのほとんど幽霊演劇部員。高校2年生。

アニメオタクで事なかれ主義のどうしようもないダメ男だが、その場の勢いで引き受けた戯曲づくりに夢中になっていく。

安藤かすみ


舞台に情熱の全てを注ぐ演劇少女。演技演出戯曲執筆と、劇作の全てに通じる高校3年生。小柄だがプロポーションも抜群、但し本人に自覚は多分、ない。下級生の面倒見はいいが態度はキツい。実は照れ屋。

羽佐間観(はざま かん)


周作の台本に登場する主人公。

オクテな高校生だが、好奇心は強い。

紫藤悠里(しどう ゆうり)


周作の台本のヒロイン。

未来から来た精巧なアンドロイド。2人以上の人間と接触するとショートする。

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