母の愛に感謝します
文字数 884文字
そのとき、僕の携帯電話が鳴った。
ここで目を覚ましたセンパイに、寝姿をいやらしい目で見ていたとは誤解されたくない。そっとベッドのほうへと振り返ると、腋の下が大きく広がって、白く細い腕がだらんと垂れ下がっている……。
僕は鳴り響く携帯電話に注目した。というか、そういう芝居をした。
いつ先輩が起きてもいいように、というかそうならないかと期待したんだけど、ダメだった。
携帯電話は切れた。センパイの部屋には静寂が戻った。
聞こえるのは、寝息の音だけだ。
小さな唇を微かに開けて白い歯を覗かせているセンパイの……
自分の喉がゴクリと鳴るのにはっとして、僕は再びパソコンに向かう。
小さな唇を微かに開けて白い歯を覗かせているセンパイの……
自分の喉がゴクリと鳴るのにはっとして、僕は再びパソコンに向かう。
声を出しながら書いても、やっぱりセンパイは聞いてないみたいだった。
手が止まったけど、いやらしい想像をしたからじゃない。
センパイを起こさないと始まらないのだ。ダメ出しを食らえば、書いた分が全部ムダになる。
起こさなくては。
椅子を立ってベッドに近づくと、もっと恐ろしいことになっていた。
さっきまで上がっていた片膝が、倒れている。
外側へ……
つまり、裾の部分が大きく広がったホットパンツの脚の片方が曲げられた状態で外側に倒れてるってことは僕のほうから見た場合どういうことになるかっていうと……
そこで再び携帯電話がきんころか~んと鳴って、僕は再び我に返った。
さっきまで上がっていた片膝が、倒れている。
外側へ……
つまり、裾の部分が大きく広がったホットパンツの脚の片方が曲げられた状態で外側に倒れてるってことは僕のほうから見た場合どういうことになるかっていうと……
そこで再び携帯電話がきんころか~んと鳴って、僕は再び我に返った。
僕は携帯に飛びついた。メールだった。
差出人の名前を見た途端、ヒートアップした頭は一気に冷却された。
オフクロからだった。
差出人の名前を見た途端、ヒートアップした頭は一気に冷却された。
オフクロからだった。
感謝しますお母様。
僕は倫理道徳的な罪を犯す瀬戸際から救ってくれたことへの感謝を込めて返信した。
僕は倫理道徳的な罪を犯す瀬戸際から救ってくれたことへの感謝を込めて返信した。