僕のヘタレ遍歴

文字数 528文字

 エンゲキブ。

 別に僕は、演劇に興味があったわけではない。アニメやマンガには中1でハマって今に至るが。
 中学では園芸部だった。1年の連休でアニメにはまって夜更かしを覚え、早起きして学校の花壇に水をやることもないユーレイ部員のまま3年間。
 気がついたら、僕はスベリ止めの私立高にいた。
 偏差値は低く、学費は高い。学校までは電車通学。しかも乗り換え一回で1時間。定期代もバカにならない。
 そして僕は1年生1学期の中間テストで、学年最下位を取った。

周作! お前って子は!
オヤジは何も言わなかったが、僕を国公立大学にやりたかったオフクロは激怒した。
 わざわざ学校まで押しかけてきたオフクロの相談を受けて、担任はキッパリこう言った。
国公立合格はかなり困難です。
 確実なのは、定員割れ私大への指定校推薦。とにかく無遅刻無欠席で部活を3年間やって、点数を稼ぐしかないという。そこまでやれば校内の推薦条件は最低限クリアできる上に、ボーダーラインを0.1負けてくれる定員割れボーダーフリー大学はあるという。
 そんな事情で仕方なく選んだのがエンゲイブと一字違いの演劇部だったのである。
めんどかったら途中で変われますよね、部活。
部活を3年間続けたとは認められないな、そうなると。
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登場人物紹介

真崎周平(まさきしゅうへい)


やる気なし、その場にいるだけのほとんど幽霊演劇部員。高校2年生。

アニメオタクで事なかれ主義のどうしようもないダメ男だが、その場の勢いで引き受けた戯曲づくりに夢中になっていく。

安藤かすみ


舞台に情熱の全てを注ぐ演劇少女。演技演出戯曲執筆と、劇作の全てに通じる高校3年生。小柄だがプロポーションも抜群、但し本人に自覚は多分、ない。下級生の面倒見はいいが態度はキツい。実は照れ屋。

羽佐間観(はざま かん)


周作の台本に登場する主人公。

オクテな高校生だが、好奇心は強い。

紫藤悠里(しどう ゆうり)


周作の台本のヒロイン。

未来から来た精巧なアンドロイド。2人以上の人間と接触するとショートする。

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