センパイと過ごす夢の……
文字数 414文字
窓の外で、桜の木がざあっと風に揺れる音がした。先輩の身体に映る光と影もきらきらと騒いだ。
大きく頷いて言ったけど、本当にないのだった。かと言って、家にも居たくなかった。あのオフクロや、ゴロゴロしている頼りないオヤジと一緒にいたくなかった。だからと言って出かければ、オフクロがうるさい。僕にとっては願ってもないことだった。
そんなわけで、僕は一も二もなく了解した。
かすみセンパイの顔が喜びに輝いた。窓の外で、また初夏の風がどっと吹いた。
そんなわけで、僕は一も二もなく了解した。
かすみセンパイの顔が喜びに輝いた。窓の外で、また初夏の風がどっと吹いた。
僕の予想では、その一言がセンパイの口から出るはずだった。いや、僕の妄想の中では、かすみセンパイは感動で僕にしがみつきさえしていたのだ。
だが、それはあくまでも予想と妄想に過ぎなかった。