キャラは一貫しなくちゃいけないんじゃないの?
文字数 581文字
教室を出て行こうとしたところで、センパイはダメ出しの理由を説明しはじめた。
僕は両太腿をきゅっと締めて手を挙げると、かすみセンパイは形の整った眉を寄せ、露骨に顔をしかめた。
我慢の限界で叫ぶと、かすみセンパイはいらだたしげにバン、と机をぶっ叩いた。
命じられるままに、僕はトイレを探して駆け出した。
用を済ませると、冷静にものが考えられるようになった。選択授業教室に戻る廊下で、かすみセンパイへの反論を考える。
まず、アニメやマンガを見て育ってきた僕としては、納得がいかなかった。
まず、アニメやマンガを見て育ってきた僕としては、納得がいかなかった。
長編ならともかく、短編でキャラが180°変わったら、読者はついてこられないじゃないいか。
現実の人間だって、個性があるだろ? ひとりひとりを区別する目印だろ?
じゃあ、目印は1つあればいいじゃないか。
必要最低限の点数稼ぐのがやっとのバカ生徒とか。
アニメとかマンガとかにはまっている、皆勤しか能のない人畜無害な高校生とか……。
だから僕は、自分の信念に従って言い返した。