まずは冒頭のツカミ
文字数 533文字
廃屋の中に、悠里の姿が現れる。家の奥の扉から、出たり入ったり。
ある日の夕暮れ時のことだった。僕は帰り道で、彼女を見かけた。尾行とかそういうんじゃないけど、つい、後を追いかけた。でも、気が付いてみると、もういない。
次の日も、次の日も、日が沈む頃に彼女を見かけた。その度に、何度となく後を追いかけてみて、見失う。
そんなことを繰り返しているうちに、僕はとうとう、山の中の崖っぷちに立つ廃屋で彼女を発見した……。
観を廃屋に引きずり込んだ悠里は、事情を洗いざらい吐かせる……。
動かなくなった悠里を残して、観の語りが始まる。