戦いの一夜
文字数 695文字
そんなわけで、僕は生まれて初めて台本なるものを書く羽目になった。
しかし、台本を書くとなれば、完成までかすみセンパイのシゴキに耐えなければならない。
確かに、シゴキだって個人授業と考えれば悪くない。
しかし、台本を書くとなれば、完成までかすみセンパイのシゴキに耐えなければならない。
確かに、シゴキだって個人授業と考えれば悪くない。
だけど、そんなオタク的に膨らんだ妄想も、現実の前には弾けてなくなる。
早めに解放されたので、怒りの治まらない部員と出くわさないで済む。
座ったまま一方的に説教されて、どっと疲れた身体を引きずるようにして帰った。
あれがそう何日も凌げるとは思えなかった。
そこで僕は仕方なく、その晩、必死でパソコンにに向かった。いやなことはまとめて済ませてしまうに限る。
もちろん、台本の書き方なんて分からない。
だけど、「ないよりマシ」っていうのも、オヤジの口癖だった。
そう思って、ほとんど徹夜でオヤジのパソコンに向かった。
オフクロにガミガミ言われながらも眠いの我慢して頑張って、書きあがったものをプリントアウトしたのは夜が明ける頃。
そのままベッドに転がり込んだのも束の間。
やがて遅刻のピンチに気付いたオフクロに叩き起こされ、弁当無し、朝食抜きで登校……おかげで放課後は完全にダウンだった。