センパイの熱い想い
文字数 584文字
余程眠いのか、センパイの声は、ますます小さくなる。僕の手が一瞬、止まった。作業を促すように、センパイは続ける。
ウチの学校、底辺校でしょ? でもね、この演劇部には演劇部の意地があるの。芝居だけは誰にも負けない、っていうね。だからアタシ、ここを選んだ。皆、プライド持って、できることを一生懸命やってる。だからアタシは、ここが好き。
好き、という言葉に、なぜかドキっとした。自分がそう言われたわけでもないのに。だがセンパイは、そこで言った。
まだ何も言ってないのに、胸がきゅんと痛んだ。僕にできることなら、何でもしたかった。
内心、グサリときた。僕のことだ。
適当にやって大会上位に入って、記録を調査書に書いてもらおうと思っていたのだ。
その僕に、センパイは言った。
一言多いが、返す言葉がない。僕はキーを叩きながら、次の言葉を待った。
だが、センパイの「寝ながら説教」はそこで終わってしまった。
僕の耳に残ったのは、かすかな囁きだけである。
だが、センパイの「寝ながら説教」はそこで終わってしまった。
僕の耳に残ったのは、かすかな囁きだけである。