キャラは個性じゃない
文字数 475文字
すると、かすみセンパイは真顔で言った。
そこまで言うことはないんじゃないか。結構ムカッときた。
つい声を荒らげた僕の問いに、かすみセンパイはたしなめるような優しい、しかしきっぱりとした口調で答えた。
こんなんで、どうしてここまでムキになったのか分からない。でも、センパイは淡々と僕を諭した。
僕はそんな、人を上っ面で判断する人間じゃない。
僕がこんな叫びかたをするなんて、自分でも意外だった。しかも、女の子相手に。
かすみセンパイが、あ、という顔をした。真顔で僕に説教していたのが、急に伏し目がちになって顔をそむけた。
しばらく沈黙して、ぽつりと言った。