そして(対決)ショーダウンへ

文字数 547文字

そこで例の詰問のシーンになるわけですね。
 僕が言葉を継いでも、センパイは答えなかった。
その先……その先は?

 かすみセンパイは特に答えず、次の展開を急かした。僕は大詰めの説明に入った。

 集中豪雨の夜のシーンだ。

おわ、映んないよ衛星放送。降りすぎだろ、雨。

寝よ寝よ寝よ……って、ん……? 非通知? 誰から?

観……? 観……ね?
悠里? 何で俺の携帯……あ、あのメカなら分かるけど、いや、珍しいから、つい……。
ありがと、観……楽しかった。
いやそれほどでも……、って何その「今夜が最後」的な発言!
もう、来ないほうがいいわ、あなたのためにも。
俺のことは……俺が決める。
じゃあ、私のことは、私に決めさせて。あなたには、どうにもできないことなの。

おい! どういう意味だよ、おい!


じゃあ……ね、楽し……。
悠里! 悠里!
車のバッテリーやら電池やらをかき集め、観は豪雨の中を出て行きます。
ショーダウンね。
……?
 話を遮る聞きなれない言葉に、思わずきょとんとする。かすみセンパイは言い直した。
対決……メンバー一同、観の後を追って廃屋に集結、でしょ?
……ええ、まあ。
絶好調じゃない! 頼むよ!
 僕も、このペースで行けば連休中に余裕で台本が完成すると思っていた。
 だが、神様は意地が悪い。コトはそう簡単には行かなかった……
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登場人物紹介

真崎周平(まさきしゅうへい)


やる気なし、その場にいるだけのほとんど幽霊演劇部員。高校2年生。

アニメオタクで事なかれ主義のどうしようもないダメ男だが、その場の勢いで引き受けた戯曲づくりに夢中になっていく。

安藤かすみ


舞台に情熱の全てを注ぐ演劇少女。演技演出戯曲執筆と、劇作の全てに通じる高校3年生。小柄だがプロポーションも抜群、但し本人に自覚は多分、ない。下級生の面倒見はいいが態度はキツい。実は照れ屋。

羽佐間観(はざま かん)


周作の台本に登場する主人公。

オクテな高校生だが、好奇心は強い。

紫藤悠里(しどう ゆうり)


周作の台本のヒロイン。

未来から来た精巧なアンドロイド。2人以上の人間と接触するとショートする。

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