中盤の絶体絶命

文字数 433文字

いやだからさあ、それを何で言わなくちゃいけないわけ、お前に? お前、俺の何? いいだろ、俺がどこで何してようと。やましいことなんか何も……。 
何よその言い方、聞きたいから教えてって言ってるだけじゃない、じゃあ何で聞いちゃいけないの、あたしの何なのよ、観は!
だから何でもないって! 何でもないのに何で? 俺に何言えっての?
……もういい。
あきら……? おい、あきら、待てよ、おい!
……羽佐間?
……泣きながら駆け出して行くあきらを、担任に見られてしまったのが運の尽きでした。その場は知らん顔をしたくせに、陰ではしっかり両親からの情報収集を試みていたのです。その結果は……。
おい観! その、あきらちゃんとはうまく行ってるのか?
だから何でもない! 何だよその、俺が日ごろからなんかやってるみたいな言い方は!
そうよ父さん、子どもの色恋に口挟んだら、こじれるだけよ?
だから、あきらとは何にも……。
あきらちゃん……とは、ね?
え……う……。
はい、言葉に詰まったそこの君、吐きなさい。
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登場人物紹介

真崎周平(まさきしゅうへい)


やる気なし、その場にいるだけのほとんど幽霊演劇部員。高校2年生。

アニメオタクで事なかれ主義のどうしようもないダメ男だが、その場の勢いで引き受けた戯曲づくりに夢中になっていく。

安藤かすみ


舞台に情熱の全てを注ぐ演劇少女。演技演出戯曲執筆と、劇作の全てに通じる高校3年生。小柄だがプロポーションも抜群、但し本人に自覚は多分、ない。下級生の面倒見はいいが態度はキツい。実は照れ屋。

羽佐間観(はざま かん)


周作の台本に登場する主人公。

オクテな高校生だが、好奇心は強い。

紫藤悠里(しどう ゆうり)


周作の台本のヒロイン。

未来から来た精巧なアンドロイド。2人以上の人間と接触するとショートする。

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