魔人襲撃

文字数 1,072文字

 ぶつかり合う剣。それに紛れてラミッタはミネスに接近する。

「ヴィシソワのおっさんに何か教わったの?」

「さぁ、どうかしらね?」

 ラミッタは斬りかかるが、ひらりと(かわ)された。

「あのダサい技は使わないのかしら?」

「あー!! また言ったな!! よーし、お望みとあらば見せてやろう!!!」

 ミネスはボールを取り出してジャグリングを始める。

「マーダージャグリング!!!」

 巨大な氷柱が降り注ぎ、ラミッタは避け、剣で弾き飛ばす。

「危ない!!」

 地上に居た住民を守るため、ラミッタは炎を飛ばし、氷を溶かした。

 マルクエンも光の刃を無数に出して氷を切り刻む。

「あいつ、許さない!!」

 セロラが敵意を剥き出しにして上空を見上げる。

「降りてこい!!」

「んー? それじゃご期待にお答えしようかな?」

 ミネスは急降下しながらセロラにナイフを投げつけた。

 素早い動きで避けて反撃をするセロラ。

「そんなんで勝てると思っているわけ?」

 マルクエンは青いオーラを身に纏って加勢しようとセロラの元へと走る。

「吹き飛んじゃって!!」

 セロラが空中にジャンプした瞬間、爆風を生み出したミネス。

 空中なので避けきれない。ダメかと思った時、目の前に人影が現れる。

「ぐあああああ!!!」

 コラーがセロラの前に飛び出し、爆風を身に受けた。

 そのまま吹き飛ぶコラー。

「コラーさん!!!」

「コラー!!!」

 マルクエンは方向転換し、コラーの元に駆け寄る。セロラも同じだ。

「あらら」

 ミネスはそんな様子を見て軽くそう言っただけで、次のジャグリングを始めた。

「許さん!!」

 マルクエンは怒りを剥き出しにし、ミネスまで一気に距離を詰める。

 上空からはラミッタが各種魔法を打ち下ろす。

「あー、ちょっとしんどいなー。まぁ、お土産あげるから許してね!」

 ミネスはポケットからパラパラと箱をばら撒いてから、飛んで逃げた。

 箱はみるみる内に大きくなり、村の中心を占拠する。

「コラー!! コラー!!!」

 動かないコラーを揺するセロラ。

「揺すっちゃダメ!! 動かさないで!!」

 ラミッタはそれを止めて、コラーの脈をとる。

「心臓は動いているわ、火傷は酷いけど、骨も折れていないし、出血もない。宿敵、薬持ってきて!!!」

「わかった!!」

 マルクエンは宿屋まで荷物袋を取りに行く。

 薬が届くと、包帯と塗り薬で応急処置を始めるラミッタ。

「とりあえず、死にはしないでしょうけど……」

「不幸中の幸いと言った所だな」

 コラーは負傷者と共に村の集会所で寝かせることにした。

 この村に医者は居ないので、兵士とラミッタが治療に当たっている。
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