魔獣と魔石と魔力の関係
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ではその魔獣はどこからやってくるのか。それは一切謎とされている。魔術適性のある者しか察知できない、魔素が濃い場所に出現する確率が高いということしか知らされていない。
では、魔素がもっと濃い場所に行けば魔獣が溢れているのでは?
あるいはそこに魔獣が生まれる巣があるのでは?
と、思うのが当然。ところがそうした場所は危険すぎるとして立ち入りが禁止されている。また、実際に魔獣の数が多すぎて、誰も近寄れない。国家レベルの戦力でも投入すれば接近できるかもしれない。けれどどの国もそれをしない。そう、魔獣が出てくる元を断とうという気が、各国に無いということ。考えてみれば当たり前のこと。現在の文明は魔獣から採取される魔石によって成り立っている。むしろ魔獣の巣があることは喜ばしいこと。よって魔獣の脅威に怯えつつも、そこから得られる利益も欲するという矛盾した状況。魔獣の侵攻を抑えられるだけの戦力があるなら、いくらでも魔獣居てください、というのが各国の思惑。
最近になってまた魔獣が活発化してきており、それは二十年前のリーディス西方戦線が境目になっていると言われている。もしかしたら、もっと多数の魔獣の出現するかも。さらにもっと強い敵が現れるかも。
果たして魔獣はどこから来て、何を目的にしているのか?
魔獣の巣は何故発生したのか?
その向こう側に何かいるのか?
そして、ミツルの両親が何を考えていたのか?
白い剣マウザーグレイルは何と戦うためにあるのか?
美鶴が転生した先の少女が、同じ読みのミツルだったのは?
母親はどうして飛ばされた?
ミツルを扱うには『どうしても美鶴でなければならなかった』事情がありそうです。