第39話 2022.5.5日比谷野外大音楽堂グリパラ

文字数 4,747文字

第38話 2022年5月5日(木:こどもの日)日比谷野外大音楽堂
30thグリーンパラダイス

グリーンパラダイスの朝、天気は晴れ。春霞の5月の空。この空を見て、こうせつは何を感じ、何を思い、何を歌うのか。

いつものように10時頃に家を出て、昼には日比谷公園の会場前のいつもの場所にピクニックシートを敷きました。

日比谷野外大音楽堂・・・ここに来たのは3年ぶり!!それが信じられませんでした。

5月の美しい新緑も、暖かな日差しも・・・何も変わっていない。

でも、よく見渡すと、ベンチがあるスペースには「集団での飲食と飲酒の禁止」の立て札がありました。

そして、例年であれば、ここでこうして待っていると、続々と仲間が集まってくるのですが。

その馴染みの仲間たちの姿が、いつまでたってもありません・・・

* * *

一昨年の2020年は、オリンピックイヤーのためにグリパラは10月の予定でした。

例年通りの5月だったら、1回目の緊急事態宣言とブッキングし、確実に中止でした。

しかし、その10月、巨大台風のために、グリパラは中止となりました。(幸いにも、日本への台風の直撃は避けられました)

振替公演で、年末の渋谷公会堂がグリパラとなりました。


昨年の2021年は、5月8日(土)開催の発表があったものの、第4波と3回目の緊急事態宣言のために早々に中止が決まりました。

* * *

そして、2022年の今年は、3年ぶり移動制限のないゴールデンウィークであり、日比谷野外大音楽堂での開催になりました。

とはいえ、年明けには一日の感染者数が一時10万人を越える日もありました。

その後、ピークアウトし、病床使用率や重傷者数、死者数は抑えられているとはいっても、連休中は4万人近くの新規感染者数でした。

本人や家族に持病があったり、介護をしていたり。

地方から公共交通機関を使って参加するのは、ハードルが高いと思います。

コロナ禍の現実を感じる瞬間でもありました。

* * *

日比谷公園には、昼頃には、すでに何人かのファンたちが集まっていました。

数人のギター小僧が小声で歌っていました。

「今年は、楽器はもってこなかった」といいつつ、昼には現地入りしている友人たち。

「集団での飲食と飲酒禁止」の立て札を避けた場所にシートを敷いて、談笑する友人たち。

例年は、一杯飲みながら、友人手作りのいなり寿司に舌鼓・・・でしたが、今年は、それはなしでした。

それでも、ここにいるだけで、もう幸せな気分で、皆の様子を見ていたら、涙が出てきました。

こんな早くから泣いてどうする・・・まだコンサートは始まってもいないのに。

* * *

会場の入口ゲート近くの石垣の上に座って、リハーサルの音を聴き、一緒に歌いながら、グリーンパラダイスの開催を、仲間たちと喜びあいました。

リハーサルでは、ゲストの声や、こうせつの歌う声が聞こえました。

アレンジを変えての日比谷らしい歌、野外らしい選曲のあの歌・・・

でも、これまでも、リハーサルで聞こえて本番では歌わなかったということがあったので、過度な期待はせず新しい気持ちで、コンサートに臨もうと思いました。

開場時間近くになると、公園の会場の入口近くに人が多くなって、ギター小僧たちの歌声は若干ですが大きくなっていました。

* * *

開場とともに会場に入りました。

これまであったコスモスの種の配布は、ありませんでした。

日比谷野外大音楽堂のステージも見るのも3年ぶりだけれど、そんな気がしませんでした。

舞台上の「30th ANNIVERSARY GREEN PARADISE」の看板は、ブルーとイエローのウクライナカラーでした。

舞台は同じウクライナカラー、ひまわりと紫陽花で飾られていました。

* * *

今回のグリパラは立ち見席無し。

全席座席指定。

立ち見のスペースは飲食スペースでした。

客席では水分摂取以外の飲食は禁止でした。

酒類の持ち込みは禁止でしたが、売店では販売されていました。

いつも私はワンカップを買って飲むのが恒例でした。

今回は感染状況もあり、前日の焼き肉の食べ過ぎもあって、アルコールは飲まないことにしました

グッズの販売はなく、事前のネット販売。CDなどの販売は行われていました。

日比谷野外大音楽堂は、改装が進んで、客席はコンクリート製から木製になり、トイレは洋式になっていました。

* * *

会場の開演前のアナウンスでは、席を離れて前に出ることや大きな声での応援や歌唱を禁止していましたが、立ち上がることについての言及はありませんでした。やっぱり、野外!

声のない、エアこうせつコールと手拍子が始まり、開演となりました。

陽が傾いて涼しく、緑が美しく、鳥が鳴いて、街の雑踏の音が聞こえて、風が気持ちいい・・・。

3年ぶりでなかったら、こんなにも感動することはなかったのかも?困難ばかりではないのかもしれないと思いました。

野外、日比谷、グリパラらしく、いつものサポートメンバーに加えて、ドラム鎌田さん、ギター尾崎さん、サックス&キーボード中村哲さんが加わって、年末スペシャルよりもスペシャルなバンド編成です。

* * *

オープニングは「時は流れて風が吹く」。明るい変調で、アレンジが大きく変わっていました。

私にとっては、この曲は、多分、1万回?は聴いた曲。(一日5回聴いて、一年で1500回、10年で15000回なので、あながち大げさではない)

特に、深夜放送で録画した日比谷野外大音楽堂での『プライベートパーディ』の「時は流れて風が吹く」は、繰り返し聴きました。

一つの音源を聴きすぎると、その後の新しいアレンジについていけないという不幸が起ることがあります。

しかし、この日は、そういう気持ちになりませんでした。

30thのグリパラのオープニング、「時は流れて風が吹く」。

この日の爽やかな緑と風に、とても合っていていました。

コンサートが始まった幸せな気分と、コンサートへの期待、未来への希望に満ちた、明るいアレンジでした。

続いて「君といっしょなら」。野外コンサートでは、おなじみの曲です。

いつもは、会場後方の席の方にチケットを交換していただき、仲間同士近くに集まって、仲間の気配を感じながら、ときには肩を組みながら、歌を聴いています。

この歌の時は、「あ~♪君といっしょなら♪」のところで、仲間と指さし合います。

今回は、立ち見席はなく、後方にまとまって騒ぐのは辞めようということで、それぞれが購入時のチケットのままの席で、バラバラに座っていました。

それでも、遠くの席にいる仲間を見つけて、指をさしてさされて、笑顔で、そしてスタンディングで聴くことができました。

スタンディングでしたが、舞台のこうせつも、会場のスタッフも制止しませんでした。久しぶりで、とても胸が高鳴りました。

次の、「サマーエンジェル」は素晴らしく、聞き惚れました。

* * *

一昨年の渋谷公会堂のグリパラで、喜多条忠さんが飛び入りで舞台に上がられたことに触れました。

喜多条さんは、昨年の11月に亡くなられました。

喜多条さんの思い出とともに、「神田川」」「マキシーのために」。

喜多条さんと最後に一緒に聴いた歌と、「元気でね」。

いつもの振り付けで、舞台にスタッフが参加されました。一緒に歌えないので、一緒に踊ろうということでしょうか。

会場一体で盛り上がりました。

* * *

最初のゲストは、杉田二郎さん。こうせつバンドのサポート。

ウクライナカラーで飾られた舞台で聴く「戦争を知らない子供たち」は、特別でした。

そして、「祈り~プレーヤー最後の愛」で、力強く平和を訴えられました。

* * *

次のゲストは、森山良子さん。同じく、こうせつバンドのサポート。

「涙そうそう」。息子さんの森山直太朗さんからのプレゼントという「今」。

いずれも、こうせつが選曲したとのこと。

朝ドラでは歌う場面はなかったけれど、「オ・ンザ・サニーサイド・ストリート」を歌われました。

* * *

良子さんのあと、こうせつ。

朝ドラつながりで、「カムカムエヴリバディ」の劇中歌として使われた「夢一夜」。

「コンサートツアー」は、普段のツアーでも聴く曲ですが、やはり、たくさんの楽器が入っての大きな音での「コンサートツアー」には、泣けました。

順平さんのバイオリンも悪くはないのですが、やっぱ、エレキが鳴ると、心躍ります。

「妹」そして、「歌うたいのブルース」。このバンドでの「歌うたいのブルース」は、カッコ良かった。

ウクライナカラーの舞台での、「あの人の手紙」。

最後は、「夜明けの風」でした。

* * *

アンコールに、杉田二郎さんと森山良子さんが一緒に舞台に登場されました。

二郎さんが「10分前に歌うことが決まった」と、舞台上、3人で打ち合わせのあとに「花はどこへ行った」。

それぞれのパートにハモりにと、3人の息はぴったりでした。

そして、最後の最後、我らがこうせつ!

「男たちよ」「満天の星」で、会場はオールスタンディングでした。

野外での、立ち上がっての、タテに飛んでの、両手を伸ばして空を見上げたら本当の空が見えて、月が見えて・・・本当に気持ちよかった!!

フルバンドでのこうせつを聴けるのは、年末とグリパラ。グリパラは野外。これからも、ずっと続けて欲しいです。

* * *

コロナ禍のためでしょうか?会場・開演がいつもより遅く、会場16時半、開演が17時半でした。

ゲストもあって、どうなることかと少し心配していました。

しかし、そんな心配は無く、コンサートはテンポよくすすみました。

リハーサルでは「うちのお父さん」を演奏していましたが、本番では演奏しませんでした。

来年のグリパラは・・・どうなるかはわかりませんが。

今は、とにかく大きな声を出したい、こうせつコールがしたい!!それだけです。

* * *

森山良子さん出演の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」では2025年?と思われる未来が描かれて、そこではマスクは無しでした。しかし、2025年までは、長すぎる。

朝ドラといえば、2021年放送の「おかえりモネ」では、2022年7月?と思われる未来が描かれて、そこではマスクはしていませんでした。

その演出どおりなら、あと2ヶ月後には、マスクは無し?

NHKだから、そんな無責任な根拠のない演出はしないのではないか?などと思い。

東広島くららのコンサートでは、マスクなしのこうせつコールができるのではないかと、密かに期待をしています。

* * *

おまけ

コンサートのあと、夕食会を計画しました。3年前の二次会と同じ場所。

3年前は、総勢30人以上の大所帯での打ち上げでした。

今回は、10人でこぢんまり。

感染対策しながら、短時間で行いました。

疫病騒ぎが収まり、また、大人数での打ち上げがしたいです。

北は旭川から南は九州まで、みんな集まって、今度は歌って踊れる新しい場所を探したいです。

でも、現実は厳しく、疫病騒ぎも3年経ち、仲間たちも3歳歳を取り、各々の事情も変わってきました。

私も今年は還暦で、経済的、体力的、健康状態、家庭状況などなど、これまでのように自由に動くことが難しくなってきています。

まあ、明日は明日の風が吹く。その時々の判断で、できることをしていこうと思います。

* * *

私は、今は、感染リスクの低い新型コロナ関連の派遣バイト中です。

5月中旬から2週間、病院で派遣バイトが決まっています。

5月8日(日)母に感謝のコンサート、5月22日(日)伊勢正三さんの渋谷公会堂のチケットを持っていましたが、病院バイト自粛で友人に譲りました。

オミクロン株の潜伏の中央値は2.9日(95%信頼区間:2.6~3.2)、99%が暴露から7日以内に発症する。

オミクロン株は、あなどれません。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み