第30話 2021.11.21長野市芸術劇場 復興NAGANO!

文字数 3,876文字

第30話 2021年11月21日(日)長野市芸術劇場 
会館5周年記念事業 復興NAGANO!音楽祭
出演/坂本冬美、平原綾香、南こうせつ

「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が、全面的に解除されたのは10月1日でした。

2ヶ月間ちかい、長い長いピークアウト、ワクチン接種がすすみ、このまま収束?

私は、11月中旬、金沢の寒さのためか、血圧が上昇し体調が悪く、金沢から東京に戻っていました。

東京に戻ったら、血圧は下がって、体調が良くなりました。

体調のこともあって、仕事はしていなかったので、制約はありませんでした。

* * *

このイベントのポスターには「長野のまちと,市民の真の復興を目指して、音楽の力で、地域とそこで暮らす人たちに元気と明日への活力を与える音楽フェスティバル」とありました。

長野市芸術館のロビーには、水害からの復興のパネルやアーカイブ映像が流れていました。

メインホールでも開演前に、市民の皆さんの復興に向けての取り組みなどの映像が映されました。

コロナ禍でも、客席は100%の入りで、満席でした。

* * *

最初に子どもたちの合唱団が舞台に整列しました。

合唱曲「群青」。地元の長野市芸術館ジュニア合唱団の子どもたち。

「群青」という曲は,東日本大震災で被災した南相馬の子どもたちのことばを、つなぎ合わせて作られた合唱曲ということでした。

合唱団のあと、今回のイベントの企画監修をされ、司会でもある音楽評論家の富澤一誠氏が舞台に登場しました。

富澤氏は、長野市出身とのことです。

令和元年東日本台風災害からの復興は、まだ道半ばであること、そして、このコンサートには、水害に被災された方100組200名を招待しているということでした。

* * *

そして、平原綾香さんが、白いドレスで登場されました。

「スマイルスマイル」を歌われた後、満席の会場に感激されて、涙を流しておられました。

私も、もらい泣きしてしまいました。

長野県が舞台の朝ドラの主題歌「おひさま~たいせつなあなたへ」。

そして、ダニエル・パウター氏とのデュエット曲、英語パートと日本語パートの両方を平原さんのソロで、「Save your life」。コロナ禍の今を表現している歌詞でした。

平原さんのコンサートで,常にリクエスト1位という曲「明日」。

最後は、「ジュピター」でした。

平原さんの歌は、とても素晴らしく、メッセージがあり感動でした。復興コンサートにふさわしいように思いました。

私は、平原さんの生歌を初めて聴きました。その歌にも引き込まれましたが・・・こうせつファンとして、それより増して気になったのは・・・平原さんのバックを、こうせつバンドが演奏していたことでした。 

平原さんの曲をアコースティックバンドで聴くのは、平原ファンの皆さんにとってもレアな経験なのかも?と思いながら聴きました。

3人の表情も、すこし緊張しているように見えました。

平原さんの曲と曲の間に、泰ちゃんのピアノがBGMみたいに流れていて、平原さんのMCの言葉が,優しい歌のように聞こえました。

また、最後の「ジュピター」では、イントロからの一番は、順平さんのギターソロで平原さんが歌われ、3番では、順平さんはバイオリンに持ち替えて、曲のクライマックスを盛り上げていました。

平原さんの、ヒューマニズムにあふれる歌詞と歌声、こうせつバンドの3人が素晴らしく、感動でした。

* * *

平原綾香さんの次は、坂本冬美さんでした。

情熱的な大きな柄の着物で登場。「夜桜お七」。

ビリーバンバンのカバー曲で紅白ブレイクした「まだ君に恋してる」。

長野ということで、五木ひろしさんのカバー「千曲川」を,冬美節で歌われました。

桑田佳祐さんから提供された新曲「ブッダのように私は死んだ」。

カバー曲アルバムのなかから、チャゲ&アスカの「ひとりざき」。

最後は、演歌の男歌「風に立つ」で、締められました。

坂本冬美さんの演歌の世界、女の情念,夫婦の情、日本男児の心意気といった日本人の心の表現が、聴いていてめまいがするほど、すごかったです。

* * *

最後は、こうせつ。

富澤氏は「この企画を考えたとき,こうせつが真っ先に浮かんだ。こうせつなら絶対に盛り上げてくれる」とおっしゃって、全面的な信頼があるようでした。

そのとおりの選曲であったと思います。

青春のフォークソング、「神田川」「青春の傷み」「夢一夜」「妹」と、メジャーな歌、復興チャリティを意識しての、みんなが聴きたい歌だったと思います。

最後は,本当は「夜明けの風」を歌う予定だったけれど、変更したということです。

「客席の皆さんに贈る・・・と言う上から目線じゃなく・・・聴いて」と「おかえりの歌」でした。

歌の最後の歌詞を「長野のまちだよ」と変えて歌うと、手拍子が一段と大きくなりました。

鳴り止まない拍手のなかで、口花火。満席の会場の拍手と花火で、最高に盛り上がりました。

* * *

アンコールで、こうせつ、坂本冬美さん、平原綾香さんが登場しました。

女性お二人はお色直し。

ブルー系の清楚なロングドレスの平原綾香さん。

真っ赤な情熱的なロングドレスの坂本冬美さん。

その二人に挟まれて真ん中に立つこうせつは、ダメージジーンズにTシャツ・・・。

同じ歌手とはいえ、ジャンルが全く違う、各々の圧倒的な存在感、独自の世界観が、その衣装に表れているようで、あまりの対照的なビジュアルが面白かったです。

感じたのは、これはまさに、異種格闘技!!

その3人のコラボということで、2曲「上を向いて歩こう」「翼をください」でした。

こうせつは、共演が坂本冬美さんと平原綾香さんと聞いて、昨夜は緊張して眠れなかったと言っていました。

異種格闘技3人、戦いの相手を尊重し合わせつつ、自分の声と歌を最大限に表現してのぶつかり合いでした。

3人の世界観に酔いました。

* * *

最後に、合唱団の子どもたちが再登場しました。

合唱団と出演者で「ふるさと」を歌いました。

ふるさとの作詞の高野辰之氏は、長野県出身。

誰もが知っている曲で、会場の皆さんもマスクの下で小さい声で歌っていました。

今回、このような異種格闘技な共演を見ることができたのも、このイベントの企画監修、そして司会でもあった音楽評論家の富澤一誠氏がいたからでしょう。

富澤氏のふるさとは長野市。

災害に遭ったふるさとの人々を、音楽で元気に・・・そんな企画で、私も,元気をいただきました。

富澤氏に感謝します。


<復興NAGANO!音楽祭・・・おまけ>

令和元年の台風19号に関連して、私にも忘れられない思い出が。

2019年10月12日(土)に、新潟県の長岡で米百俵フェス~花火と食と音楽と~に、こうせつが出演予定でした。

私も参加予定で、長岡市在住のファン友からの情報を聴きつつ、チケットと宿、新幹線を取っていましたが、前日の10月11日(金)に、台風のために中止が決定しました。

その後、米フェスに縁がないのか・・・?

コロナ禍のなかで、翌年は新潟県民のみのチケット販売でした。

そして、今年の振替公演は、アオーレ新潟と室内ライブとなり、花火は別の場所、会場でリモートで見るということです。

私は未だ、野外の米フェスには参加できていません。

* * *

また、2019年の台風19号がきたとき、ちょうど親族の手術の予定がありました。

その付き添いのために、10月12日(土) 東京自宅→米フェスの長岡泊、13日(日)早朝に長岡→金沢行きの新幹線のチケットを予約していたのです。

しかし、台風による米フェスの中止と、12日の新幹線の計画運休が、11日(金)に決まりました。

14日(月)に親族の手術が決まっているので、前日の13日(日)の朝には絶対に金沢に到着していたい。

なので、急遽、11日(金)の夕方に金沢に行くことにしました。

計画運休の前日夜の東京駅と新幹線はものすごく混んでいて、満席でした。

何とか、はくたか号の自由席に座ることができました。

金沢到着後に、新幹線チケットの払い戻しで、みどりの窓口に2時間並びました。

これに懲りて、これ以降、新幹線はSuica対応にしています。

そして、台風一過の衝撃の映像・・・長野車両基地の北陸新幹線の車両水没・・・

親族の手術は無事に終わりましたが、北陸新幹線は長期運休となりました。

仕方ありません。大阪周りの東海道新幹線で帰宅し、くたくたに疲れた記憶があります。

* * *

そして、この日の2021年11月21日、今回の復興チャリティのイベント。

秋の長野ということで、私は、このコンサートに合わせて、JR篠ノ井線からの紅葉狩り、善光寺参り、昼食は門前そば、おやつにカボチャと野沢菜のおやきを食べ、帰りの新幹線で峠の釜めしと銀河高原ビール・・・と計画していました。

当日朝、のんびりしていると、フェイスブックに、バンドの泰ちゃんが前乗りしたというカキコミが・・・。

なんで?前乗り?・・・チケットを見ると、何と開演が14時でした。合唱団の子どもたちや招待客がいるから、開演が早かったのだと思います。

あわてて家を出ました。気づいて良かったです。

コンサートにはギリギリ間に合いました。

なので、秋の長野を満喫する予定はかなわず。

ただ、SNSでの私のボヤキを見た東京のご夫婦ファン友の奥様が、カボチャと野菜のおやきをくださいました。

帰りの新幹線のなかで、ビールと一緒にいただきました。美味しかったです。ありがとうございました。
 
新潟長岡の野外フェスと秋の長野市観光のリベンジを、いつかきっと、と誓いました。
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