ベストサポーティブケアという選択肢

文字数 1,282文字

 ベストサポーティブケアというのは、人間の医療の世界でよく使われる言葉です。
 特に末期がんの患者さんに対し、がんそのものに対する治療はせず、栄養、安静、精神的なサポート、痛みに対する治療をなど中心にしたケアを行うというものです。
 いいかえると患者さんのQOLを最優先した治療~支持療法なのです。

 それでわかめの話です。
 2019年の9月初めに鼻炎、口内炎がひどくなり、全く食べられず、ほぼ一日箱の中に潜んでいる状態になり、その後の話は前にずいぶん書きました。
 インターフェロンの注射、点鼻とか、いろいろやりました。

 9月の初めに、わかめがあと半年でも生きてくれれば、とか思っていたのですが、それから半年過ぎ、状態は一進一退だけど、まあまあとも言える状態でした。
 だけど洗濯袋に入れての点鼻とかやっていくうちに、ご存じのようにわかめはあんなですから、私が猫部屋へ行くと、さっと物陰に隠れ、もう私を避けまくっていたのです。
 やっぱり残念ながら、わかめとの信頼関係は崩れてしまったようです。

 だからわかめのQOLも考え、上記のベストサポーティブケアに切り替える時期かなと、私は考え始めたのです。
 それが2月末。
 それで3月から、試しに、思い切ってそうすることにしました。

 だけどそれからわかめの状態は悪化はせず、もしかしたら3月になり暖かくなったのがよかったのかも知れませんが、わかめは現在まあまあの状態で、チャオチュールを一本かけたかりかりを完食しています。
 獣医さんも「要するに食えればいいんですよ」と言っておられて、私もそうだなと思っているのです。

 それでもかりかりにかけるチャオチュールは乳酸菌入りので、少しでも感染に強くしたいということと、それからかりかりはペーハーコントロールで、これは尿路結石予防のフードですが、塩分がやや多く、水を多めに飲むような作用もあります。それでわかめは食後にぺちゃぺちゃと水をよく飲んでいます。
 水を飲めば、口の中が少しはきれいになりますから。

 それで、わかめに嫌な治療をしなくなってから、私が猫部屋へ行くと以前のように「ごは~ん♪」という顔をして私にすりすりするようになりました。
 だからまた、わかめをなでなで出来るようになったし。

 医療って完璧ではないのです。どこかで撤退する時期がくるのです。
 そして結局ベストサポーティブケアが最善策といえる時期がくるのです。

 ともあれ悪戦苦闘、そして紆余曲折の末、とりあえずかりかりを完食しているわかめを、しばらくはこのまま見守っていくつもりです。

 実はわかめは、うちにいるラグドール(もどきのMIX)のペコちゃんとラブラブで、だからそういう幸せな時を過ごさせてあげるのが一番いいのかなとか思っています。
 またあまりにも状態が悪くなったら考えますけどね。

  手前にペコちゃんの巨大なしっぽが写っていますが、まんざらでもない顔のわかめ

 
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