わかめの鼻炎・口内炎闘病記

文字数 2,262文字

 わかめは成猫になってから、ボランティアさんに親子で保護されています。
 わかめはお母さんでした。
 子供はこむぎちゃんという仔で、他所へ里親に引き取られました。

 で、わかめは極めて警戒心が強く、「全く懐かない」仔でした。
 でもそれにも拘らず、よせばいいのに私が里親に引き取ったのですが…

 そういう仔ですので病気をすると大変です。
 治療はおろか、獣医さんへ連れて行くのも至難の業です。
 容易にはケージに入りませんから。

 そんなわかめは、数年前から鼻炎を患い、いつもグズグズ、そしてクシャン! とくしゃみをしていました。
 予防注射はしていますが、野良さんで成猫になったので、猫カゼのカリシウイルスのキャリアだろうと思っていました。
 だけど元気で食欲もあるし、様子をみていました。

 ちなみに猫部屋の他の仔たちは予防注射(カリシウイルスを含む)をしているので、今のところうつった仔はいません。


 そんなわかめですが、最近鼻炎がひどくなり、息をするのも大変そう。そしてとうとう食べなくなってしまったのです。

 ある日、キャットフードのかりかりを口に入れると、痛そうな顔をしてすぐに吐き出し、物陰に隠れてしまいました。
 みてみると口が臭く、どす黒いよだれを出しています。
 そしてその後は一日物陰に隠れうずくまり、かなり衰弱し、ずいぶん痩せてしまいました。

 
 それで、これは「強権発動」だと思い、おびき寄せておしりぽんぽん(わかめはこれが大好き!)している隙に、ポケットに忍ばせていた洗濯袋で取り押さえ、必死こいて袋のファスナーを閉めました。

 それで、予め獣医さんには相談しておいたので、「わかめ、身柄確保! ただちに連行します♪」と連絡し、ぎゃーぎゃー言い続けるわかめを、愛車のホンダS660の狭い助手席に乗せ、運転しながら「わかぁ~~~~めちゃん♪」と、何度も励ましながら連れて行きました。



 ここで猫のカリシウイルスによる口内炎の治療について少しまとめます。

 外科的治療
 歯石除去
 抜歯(犬歯より後ろの臼歯を抜く)

 内科的
 インターフェロンの注射
 ステロイドの注射
 抗生剤の注射
 インターフェロンの局所的投与


 で、わかめはあんな風ですので「獣医さんに通う」ということは困難です。
 それに衰弱しているので手術はリスクがありそうです。

 そういうわけで獣医さんと相談し、めったに連れてこれないのだから「一発勝負」の治療として、

 インターフェロン(インターキャット)の注射
 ステロイド(プレドニゾロン)の注射
 抗生剤注射(二週間効果持続)

 を行い、それから「インターベリー」という、犬の口内炎治療用のインターフェロンを少し分けてもらいました。


 このインターフェロンは犬用ですが、ネットで見てみると、「猫の口内炎にも有効」という獣医さんの症例報告もありました。それもかなりいいみたいです。

 で、その使い方です。
 インターベリーは白色の粉末で、なめてみましたがほぼ「無味無臭」です。

 通常の使い方は少量の粉末を水でなじませ、それを指につけて、動物の口を開け、赤くなった歯茎に塗るのです。
 だけどわかめはあんなですので、そんなこと出来よう筈もありません!
 じょうだんじゃありません!

 そこで例によってチャオチュールの出番です。
 チャオチュールに混ぜて食べさせる?

 だめです。
 口の中に残らないといけないのです。
 食べさせて胃の中に行ったらあきまへん!

 じゃ、どうするの?


 チャオチュールごく少量…、それはもう1ccの3分の1くらいの量を小皿に出し、それにインターベリーの粉末を耳かき1~3杯分くらいを乗せ、少しなじましてからその小皿を猫部屋へ持って行き、「わか~~~~~めちゃん♪」と呼ぶと、いそいそと出てくるので、おしりぽんぽんを少ししてご機嫌をとってから、さりげなく小皿を差し出すとぺろりと食べてくれます。

 そして、それから数時間は食事を与えません。
 というか、次の食事まで十分に時間のあるタイミングでそれをやります。

 それで、このような少量のチャオチュールですので、口に入っても「ごくん」という感じにはならず、しばらく口の中でぺちゃぺちゃとやっているようです。

 これって「お口くちゅくちゅモンダミン」のイメージですね。
 だから、結構な量のインターベリーが口の中に留まっているはずです。


 それで現状ですが、一回の食事ではチャオチュールの「総合栄養食まぐろ」2本をぺろりと食べ、それから少なめですがドライフードもゆっくりながら、ちゃんと食べています。

 元気についてはほぼオリジナルに戻り、体重もだいたい戻っています。
 それから驚いたことに、鼻炎がずいぶん軽くなっています。
 くしゃみもほとんどしなくなりました。
 口と鼻はのどの奥でつながっていますから、口が良くなれば鼻もある程度良くなるのでしょうね。

 注射を含め、結局どれがいちばん効いたのかは謎ですが、私は「結果オーライ」と考えています。
 だから「お口くちゅくちゅインターベリー」は、状態を維持するために続ける予定です。
 ちなみにインターベリーの費用は一ヶ月で2000円程です。


 獣医さんに連れて行くのも一苦労のわかめですので、私としてはわかめも「妥協できる」状態だし、当分これで様子を見るつもりです。
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