ぴゃーちゃんどうしたの?

文字数 628文字

 昔、私がハムスターを飼っていた頃の話。

 小さなケージに入れて飼っていました。
 そしてぴゃーちゃんは、ケージの中で回転カゴをくるくると回すハムスターを、いつもじっと見ていました。

 ケージの前にきちんとお座りし、飽きることなく見続けて、そしてくるくる回るカゴを見ているうちに、だんだん眠くなるみたいで、いつも大あくびをしてから、いつのまにかケージの前で寝ていました。

 そんなある日の夜中。私が寝ているとき。

 なんだか気配を感じ、薄目を開けると暗がりの中にぴゃーちゃんの長毛のふわふわのシルエット。

 それで私が目をしっかり開けると、ぴゃーちゃんが待ってましたとばかりにみゃ~~といい、それから1,2歩歩いて振り返り、またみゃ~。
 
 何だか「付いておいで」という雰囲気。

 それで私が起きると、ぴゃーちゃんはとことこと歩き始め、少し歩いてまた振り返りみゃ~。
 明らかに私を誘導している様子。

 それで私がぴゃーちゃんの後を付いて行くと、ぴゃーちゃんは台所の方へと向かい、ゴミ箱の前にお座りして、振り返りみゃ~。

 え?ゴミ箱がどうしたの?と思い、ゴミ箱を手に取り持ち上げると、そこでハムスターがうずくまっていました。
 どうやらケージから逃げ出していた様子。

 ぴゃーちゃんは、「ハムスター逃げてるよ!」と緊急連絡してくれたのでした。



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