第112話 ★むかない勝負

文字数 401文字

わぁっ、わぁっ、兄ちゃん。

勝負!

わかった。わかった。ジャンケンな!
いやいや、ここはしりとりでしょ
えっ? しりとり?
そう。しりとり!

早く、早く。

じゃあ、トイレのれ!

れか。レンコンの穴をのぞいて遊んでたかーくん五歳のとき!
き……きぐるみ!
み……みんなで人生ゲームをしてると、いっつもかーくんは子だくさんになる!
それ、最近のことだね……。

えーと、そんなことより、えーと、る……る……ルビー

ビ、か
兄ちゃん、早く、早く!
だから、この勝負がムリあるって。

えーと、ビー玉を飲みこみそうなかーくん見てあわてるおれ!

かーくん一歳のときだな

へえ。そんなことあったんだぁ。

——って、早くしないとオシッコもれるよ!

だから、どっちがさきトイレ行くかで、しりとりはムリがあるって。

兄ちゃん、さき行くからな!

ええーっ!
兄ちゃんがビー玉、うばいとったから、かーくんは生きてるんだぞ!

今、兄ちゃんに恩返しするんだ!

ぐぬぅ……

言いかえせぬ

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登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

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