第175話 猫だって

文字数 287文字

兄ちゃん。今晩、冷えるねぇ
そうだな
コタツから出たくないねぇ
そうだな
兄ちゃん、僕のかわりにトイレ行ってよ
それで、かーくんの尿意がおさまるんなら行くけど?
……わかった! 自分で行くよぉ
ははは
 数分後。
ああ、スッキリした
どうせ行かなきゃいけないんだから、最初から行けばいいのに
だって、寒いとコタツから出たくなくなるんだよぉ。あれっ、ミャーコがふるえてる?
ふるえてるな
コタツ入ってるのに
…………
…………
ミャーコ、やめろ!
そこでしちゃダメ!

出たくなくても、ちゃんとミャーコのトイレでしてね

ミャーコ、トイレ行かないと雷パチパチしてやるぞ?
ミャッ!
 タタタタタ——
おお、走る。走る
速いねぇ
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色