第196話 あけまして、メタフィクション

文字数 328文字

あけまして、おっめでとうございま〜す! おめでとう。おめでとう。謹んでお祝い申しあげま〜す!
 ガラッ。
かーくん。正月早々。玄関先で、誰にむかって叫んでるんだ? 誰もいないぞ?
いるんだよ。このむこうに
誰が?
これは物語だって前提で書いてある小説をメタフィクションって言うんだってさ。作中で読者に呼びかけたりして
へえ。で?
だからさ。みんなに『おめでとう』って
かーくん。熱あるんじゃないのか?
いやいや。フィクションとメタフィクションの境界だよ
ふうん



ほら、猛もいっしょに
えっ?
あけまして、おめでとうございま〜す!
あ……あけまして、おめでとうございます……



声が小さい! もういっちょー!
よーし!



あけまして、おめでとうございま〜す!
あけまして、おめでとうございまーす!」
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登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

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