第134話 ★なんとなく、しりとり

文字数 389文字

兄ちゃん。ヒマだねぇ
ヒマだなぁ
しりとりしよっか
いいぞ
じゃあ、しりとりのリ
リンゴをかじって、自分の歯形にビックリするかーくん、三歳のとき
き……肝吸!
い、か。

イカの刺身の飲みこみどきがわからなくて泣きだすかーくんも三歳のとき

また『き』?

き……き……

キシリトールガム!

む?

む……難しい算数の問題に初めての眉間のしわは、かーくん七歳のとき

また『き』なのぉー?

猛、ズルイ!

ちょっとさ。僕の思い出話禁止ね

えっ?
じゃあ、えーと、き……黄緑のセーター。た、からね!
た?

体育会の百メートル走で一位になったかーくん!

ブッブー! 禁止です
えっ? えっ?

そんな……た……た……

たぬきの着ぐるみ似合うなかーくん!

ブッブー! だから禁止だって
ええーッ?

おれにどうしろって言うんだよ?

いや、ふつうにしりとりしたらいいんだよ
た……た……

田んぼのあぜ道歩いた親戚のうちのお泊まり!——ああッ!

思い出が止まらない!

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登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

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