第142話 ★続・おうちでロシアン

文字数 607文字

じゃ、さっそく食べようよ〜

そのかわり、一回、手にとったのは必ず完食ね

(現時点でのおむすびの数は二十。僕らは四人。一人五つの計算か。かと言って、五つも食べる必要はない。僕は二つで充分。なんなら夜ご飯まで我慢して、今は一つでもいい。ということはイチゴジャムをとる確率は十分の一、または二十分の一! 勝負は最初が肝心だ!)
いただきま〜す
いっただきま〜す
もらうでぇ〜
(ハッ! しまった。これで残りは十七個。8.5分の一、または十七分の一!)
ああ、うまかった。高菜だったな。

じゃあ、次!

(は、早いッ!)
兄ちゃん、ちょっと落ちついて食べなよぉ。おむすびは逃げないよ?
にぎり飯は逃げないかもしれないが、和牛はとられる!
まあ、そうだけど。

ああ、僕はオカカだぁ。並だな

おれは……シャケやな。

シャケフレーク

ははは〜

鮭児、引き強いなぁ

シャケは当たり。

当たりは他に鶏そぼろとツナマヨがある

並は?
オカカと高菜と塩昆布。

数がいっぱいあるんだ

三個め〜

あっ! 鶏そぼろだ!

よかったね。兄ちゃん。

念願の肉。

僕は二個め〜

えっ? またオカカ?

(は……速すぎる! 二口で一個のペース! 完全に出遅れた……)
あれ? 蘭さん、食べないの?
早よ食べんとなくなるで
そうだぞ。いらないのか?

四個め〜

ああ、塩昆布かぁ

(か、確率が……確率……)
くすん……( ;∀;)
あはは。なんで泣くだよ。

変なやつだなぁ

 ゴゴゴ……。

(蘭さんのなかで何かが壊れる音)

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登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

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