第116話 鍵と神

文字数 342文字

 買い物から帰ってきた僕と兄。
はぁ、兄ちゃん。ラーメンうまかったねぇ
そうだな。かーくん。鍵あけてくれ。兄ちゃんは両手がふさがってる
ミャーコはいい子にしてたかなぁ……って、あれ? 鍵がない?
えっ? かーくん。まさか忘れたのか?
そうみたい
しょうがないなぁ。荷物、持ってくれ
へーい
 ポケットをさぐる兄。
…………
ど、どうしたの? 兄ちゃん。ま、まさか……
鍵がない
ええーッ! そんな! 今日は蘭さんは〆切前で、マンションでカンヅメなんだよっ? どうするの? 僕ら、このまま家に入れないんじゃ?
うーん。門を乗りこえるしかないか……
 と、そのとき——
おーい。猛。かーくん。遊びに来たでぇ。何やっとるんや。鍵? 鍵くらい持ってきてんで。あければええんか?
さすが三村くん。東堂家第四の住人!
神だな
神ッ!
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登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

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