第167話 ★続・試される小銭愛

文字数 386文字

ああ、また今日も雨か。

冬の雨は冷たいなぁ

溝も水があふれそう……
ん? なんか光ってる……
かーくん! よく来た。

おれを助けるんだ!

あッ!

あれは、まさか……

ご、五百円玉っ?

そうだ!

おれは小銭の帝王、五百円玉だー!

五百円が僕に助けを求めてる!

救助だ。救助しないとー!

いいぞ、いいぞ。

かーくん、急げ!

ひゃっ、冷たい!
いや、でも負けない!

僕は負けないぞ!

がんばれ、かーくん!
五百円が僕を応援してる!

がんばるよ。僕、がんばる!

つ、冷たい……

でも——とった! とったぞー!

やった〜! 僕の五百円〜

……ん?

まだ底のほうに何か……

あれは……この前の十円玉……
ヒドイよ。かーくん……

ぼくのことは見すてたのに……

( ;∀;)

ああっー!

だから、そんなつぶらな目で見ないでー!

………………
…………
……
……ていうね。夢を見たんだよ。

罪悪感……

ふうん。

かーくん、遅刻するぞ?

ああーっ!

悪夢ふたたびみたび〜

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色