第17話 猫には見えるらしい

文字数 397文字

兄ちゃん! 今、ミャーコが庭で、なんか追いかけてる!
どうせカエルとか、雀とかだろ
違うよ! もっと大きい音がした!
かーくん。猫には人間に見えないものが見えるって言うよな
やめれぇー! 怪談反対!
まっ、となりのミケでも入ってきたんだろ
もっと大きい影だった……
ふうん。泥棒かな?
怖いよ! 兄ちゃん!
よしよし。かーくんは何歳になっても可愛いなぁ
泥棒だったらどうするんだよ?
それもそうだな
シャーッ! シャッ!
ほんとだな。ミャーコが興奮してるな。あそこに誰かいるぞ。松の木のかげ
えッ? 僕には見えないけど?
かーくん……猫には人間に見えないものが——
 ピンポーン。
ちぃーす。遊びに来たで。やぁ、かなんな、もう。ミャーコ、いいかげん、おれのこと追いかけまわすのやめてほしいわ
おう、鮭児。ひさしぶり
てか、猛。さっき見とったやろ? 早よ助けろや
いやぁ。なんか面白かったから
……兄ちゃん。三村くんなら僕にも見えるからね
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登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

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