自由すぎる先輩たち
文字数 1,517文字
先輩達はストレッチを終えたところだった。
やはり、どう見ても九人しかいない。
3人はランニングから入った。
グラウンドをゆっくりめのペースで3周。
そのあと体操をして、3人で交代しながらストレッチを行った。
さらにダッシュを10本こなす。
鈴たちはキャッチボールを始めた。
レフトのファールゾーンが広いのでそこを使う。
朝陽とまこが並び、鈴が二人を相手にする形だ。
背後では守備練習が始まっていた。
三人とも内野に目をやる。
ノッカーはキャプテンの漆原礼だ。
彼女の打った打球をサードがはじいてしまった。
ザシュッと音がしてセカンド――
桜はグラブをバシバシ叩くと、膝を落として構えた。
礼の超速の打球がセカンドベース真横へ飛ぶ。
桜は正面に入って捕球し、軽やかにファーストへ送った。
並の二塁手だったらダイビングして取っていただろう。打った瞬間の反応速度が異常に高い。