今年は攻撃力もあるぞ!
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ピッチングマシンには、さっきエラーして怒られていた
バッターボックスには漆原礼が入り、他の先輩達が守備につく。
鈴、朝陽、まこは見学だ。
ボンッ、とピッチングマシンからボールが飛び出す。
礼が鋭いスイングでセンターに打ち返す。
2、3、4球と、礼は鮮やかなライナーを外野に飛ばした。
礼は10球連続でヒットゾーンに打ち返し、バッターボックスを出た。マシンのストレートなら打ち損なうことはない、といった風格だ。
続いてエースの新海澪が入る。
キャッチャーの岩見悠子が右打席に入った。
初球を左中間に打ち返し、次の球はセンターオーバー、その次はライト線の長打コースに鋭く放つ。
10球目。
悠子のフルスイングから放たれた打球が、レフトのテニスコートのフェンスを越えていった。
後輩をびくつかせる大声とは裏腹に器用な打撃を展開する。
ライン上や内野手の頭を越すような打球を広角に打ち分けてみせた。
一ノ瀬桜も左バッターである。
彼女も奈緒と同じように器用な打撃を披露した。
続いて二年生だ。
ピッチングマシン担当だった水崎美晴が最初に入る。
二年生が順番に打撃を行っていく。
そこから感じられたのは、みんな器用だということだ。
岩見悠子のようなパワーヒッターもいるが、基本的には確実な単打を打てる選手が多い。
漆原礼の妹――漆原
青葉が右打席に入った。
初球――快音。
いきなりレフトのフェンスを越えていった。
青葉はさらに長打を連発する。
しかも振り回している印象はなく、的確に芯で捉えている。