大会前夜
文字数 3,043文字
全員が勢いよく返事をした。
大会前日。
最後の練習が終わり、緋田恵の周りにみんなが集まっていた。
水曜日の信州毎日新聞に、夏の大会出場校の紹介記事が載っていた。
ベンチ入りメンバーの背番号、投打の利き腕、学年、身長、出身中学といったデータが掲載されたものだ。
それぞれに荷物を片づけ、部室を出た。
挨拶を交わして、各自の帰り道につく。
桜と奈緒は、二人で帰り道を歩いていた。
長野駅までは同じ道だ。
岩見悠子は陸上部の女子と雑談をしてから学校を出た。
近くには丹波島橋があって、真下を
家とは方向が違うが、そちらへ足を向けた。
鈴と朝陽は帰り道の途中、互いの家の近くにある小さな公園でキャッチボールを始めた。街灯が妙に明るいので、夜でもボールが見える。
そのため、二人は中学時代からここを自主トレ場所にしていた。
鈴は連打を浴びてビッグイニングを作られたことがない。
エラーが絡んだあとにヒットを打たれ、小刻みに加点されるパターンがほとんどだった。