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文字数 2,405文字
翌日の裾花清流高校、女子野球部の部室。
昨日の試合で負傷退場した岩見悠子だったが、今日は普通に登校してきた。今は緋田恵のところに顔を見せに行っている。
真修館戦は夕日のタイムリーヒットが流れを大きく引き寄せた。
創部史上初の準決勝進出ということもあって、地元新聞のスポーツ欄には夕日が打った瞬間の写真が大きく掲載されていた。
恵のあとについて、野球部全員が移動する。
職員室では、教師陣がテレビから離れてスペースを作ってくれていた。
恵が画面を切り換える。
諏訪水照の攻撃、ノーアウトランナー1塁。
バッターは送りバントの構えをしている。
ここでサードがかなり前進してプレッシャーをかけている。結果的にバントはピッチャー正面に転がってセカンドでフォースアウト。
諏訪水照のバッターがファースト側へ送りバントするが、猛ダッシュしてきたファーストが捕球してサードへ送る。セカンドランナーがこれで刺された。
諏訪水照は計三回、送りバントに失敗しているのだ。
1 一ノ瀬桜(二)
2 漆原礼 (左)
3 神村青葉(中)
4 岩見悠子(捕)
5 漆原優 (右)
6 赤羽夕日(一)
7 朝山鈴 (投)
8 天城奈緒(遊)
9 水崎美晴(三)
鈴に恐れはなかった。
全力をぶつけること。
それだけを考えて、グラウンドへ向かった。