第68話 チームメイト

文字数 584文字

それから1週間が過ぎました。
今では朝練も、グラウンド整備もチーム全員でやるようになり、
高坂先輩もすっかりチームに溶け込んでいます。

辞めてしまった1年生部員たちには、その後も何度か声を掛けましたが
やっぱり返事は変わりませんでした。

結局、私達、陵成高校野球部は選手10人で秋の大会に臨むことになりました。
先輩はたった1人の補欠です。

いつもの帰り道
「いよいよ明日っすね!」
池崎くんは少し興奮気味でした。
「大村くん、調子はどう?」
先輩がそう言うと
「ありがとうございます。絶好調です!」
大村くんも本当に調子が良さそうです。

「じゃあ、俺達はここで失礼します。お疲れっした!」
大村くんと池崎くんと別れ、先輩と二人きり・・・のはずだったのですが
1週間前のあの日から、高坂先輩が一緒にいらっしゃいます。
ちょっと残念。

「高坂くんも明日は頼むよ」
「何言ってんだよ。お前も選手だろ。一緒に頑張るんだよ」
「そっか。そうだね」
お2人は付き合いが長いせいか、なんかお互いをわかり合ってる感じがして、
私は少し嫉妬してしまいました。
「どうせ私は選手じゃないですけど!」
私が少しむくれていると、高坂先輩が
「ゴメンゴメン」
すると先輩が
「選手じゃなくても、町村さんもチームメイトなんだから。明日は一緒に頑張ろう!」
先輩はいつもやさしいです。
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