第36話 脱落

文字数 624文字

ランニングを終え、
グラウンドには1年生たちが倒れ込んでいました。
先輩は柿崎くんと一緒に最後まで走っていました。

「よーし!今日はこれくらいにしておいてやる!
 ちゃんと片付けして帰れよ!」
上山先輩がようやく練習の終わりを告げ
2年生たちはグラウンドをあとにして行きました。
先輩はまだ、柿崎くんや他の1年生たちに
声を掛けて回っています。

「ったく。無茶苦茶だよな。上山の野郎!」
「ほんと。これじゃあ体がもたねぇよ・・・」
大村くんと池崎くんは
他の1年生に比べると、まだ大丈夫そうで、
最後まで上山先輩や金子先輩の悪口を言っていました。
これも先輩との秘密特訓の成果かもしれません。

翌日、1年生部員たちは皆、
無言でグラウンド整備をしていました。
大村くんと池崎くんはだけは
グラウンド整備をしながら
「痛てててててて。もう体中筋肉痛だよ」
「昨日はかなりキツかったもんな」
「今日もやんのかなぁ・・・」
「やるだろ。上山が1日で終わらせる訳ねぇじゃん」
「そうだよな・・・」
なんて会話をする元気が残っているようです。

「ちわーっす!」
先輩がグラウンドにやってきました。
先輩はグラウンドを見回し
「柿崎くんは?」
「今日は学校にも来てなかったみたいっす・・・」
池崎くんが答えました。
「そっか・・・」

今日もまた、昨日と同じく、
特訓という名の嫌がらせが続きました。
翌日も、柿崎くんはグラウンドには来ませんでした。
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