第21話 チームのため

文字数 631文字

「松島さんってあんなこと言うんだ」
池崎くんは驚いた様子でそう言いました。

「俺も意外だったな」
「私も」
大村くんと私も続いて言いました。

「松島くんは常にチームのことを考えてるから
 エースの大村くんも、池崎くんの応援も
 全部、チームにとって大切だと思って言ってくれてるんだよ」
先輩は松島先輩を信頼しているようです。

「俺、上山さんのことで、
 時々、松島さんのこと、信じられない時がありましたけど
 おかげで何か吹っ切れました。
 明日は思いっきり投げられそうです!」
大村くんがすっきりしたような表情で言いました。
「頼むぞ、大村。お前は1年生エース様なんだからな」
池崎くんが上山先輩の真似をして言いました。
「やめろよ。せっかく清々しい気分だったのに」
大村くんと池崎くんのやり取りに、
先輩と私は思わず笑ってしまいました。

「さ。早く片付けて帰ろう。僕も手伝うから」
「はい」
私と大村くんが返事をすると、池崎くんが松島先輩の真似をして
「大村。さっさと帰って、しっかり体休めとけよ」
「もうやめろって」
大村くんと池崎くんのやり取りを聞いて、
先輩と私はまた笑っていました。

「お疲れっした!」
大村くんと池崎くんと別れると、
私と先輩はいつも少しだけ二人きりになります。
初めて一緒に帰ったときから、
私と先輩は同じ方向ということになっていたので・・・。
「明日は応援頑張りましょうね」
「もちろん!」
先輩はいつも前向きです。
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