第46話 朝練

文字数 456文字


「前、前、前!」
翌朝、約束通り、松島くんは朝練に付き合ってくれた。
前方の打球、僕は前に行き過ぎてしまい、戻ったが間に合わず落球。
「もっとしっかりボール見ろ!」
「はい!」

「前、前、前!」
僕は落下点に入ったが、グローブにボールを当てて、弾いてしまった。
「グローブ出しながらボール追うな!
 ボールを捕る瞬間にグローブ出せ!」
「はい!」

「サード!サード!」
捕球した僕はサードへ送球。
ボールは大きく右に逸れた。
「投げる方向をしっかり見ろ!」
「すみません!」

「ポイント前!」
「はい!」
次はバッティング練習だ。
大村くんがバッティングピッチャーを務めてくれた。
軽めに投げてくれているのに
僕は振り遅れてばかり。

「もっとポイント前だ!」
「すみません!」
やっとボールがバットに当たったが、ボテボテのセカンドゴロ。
「なんだ、その打球。
 インパクトの瞬間にしっかり右手で押し込め!」
「はい!」

カキーン!!
快音と共に打球は外野を守る池崎くんの頭上を、大きく超えて行った。
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