第72話 先制

文字数 795文字

大村くんの好投で初回を三者凡退に抑え、迎えた1回裏。
1番池崎くん、2番高橋先輩が倒れた後、
3番高坂先輩がライト前ヒットで出塁。
4番松島先輩が右中間にヒットを放ち、2アウト1、3塁のチャンスを迎えましたが
続く5番浅野先輩が三振に倒れ、無得点。

その後も膠着状態が続き、試合が動いたのは0対0で迎えた中盤6回でした。
6回表、光南学園の攻撃。
1アウトから4番バッターが2ベースヒットを放ち、続く5番をサードごろに抑え、
2アウト2塁で迎えた6番バッターが大村くんのストレートを強打。
打球は右中間へ。誰もが抜けたかと思ったその時、
ライト池崎くんが俊足を飛ばし、打球に飛びつきました。
なんだか必要以上にゴロゴロ転がっていたような気はしますが、
池崎くんは起き上がって、グローブを高々と掲げました。

池崎くんは嬉しそうに、チームメイトとハイタッチをしながらベンチに戻ってきました。
「ナイス!池崎くん!」
先輩ともハイタッチをし、池崎くんは誇らしげです。
「池崎!次、お前からだぞ!この勢いで絶対出ろよ!」
「はい!」
松島先輩の激励に、池崎くんは元気よく応え、バッターボックスに向かいます。

こういうとき、池崎くんの性格からして、みんなが期待を寄せています。
池崎くんは明らかに新チームのムードメーカーです。
池崎くんは良い意味で調子に乗っていました。
初球を強打し、センター前ヒット。
続く高橋先輩がバントで送って、1アウト2塁。
3番高坂先輩がライト前ヒット。好スタートを切った池崎くんは一気にホームへ。
ついに均衡が破れ、陵成高校は1点を先制しました。
高坂先輩はその間に2塁を陥れる好走塁。
続く松島先輩も左中間を破るヒットを放ち、高坂先輩がホームイン。
陵成高校は一気に2点を先制しました。

7回を両チーム無得点で終え、迎えた8回表。その時は突然訪れました・・・
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