第1話 オレとアイツの出会い

文字数 577文字

オレがアイツと初めて出会ったのは
高校の入学式の後、野球部のグラウンドでだった。

オレは中学時代のチームメイト、上山、浅野
上山の連れの金子と4人で野球部の練習を見学しに行った。
少し離れたところでアイツも連れと一緒に見学に来ていた。

「このレベルなら、お前ならすぐにレギュラー獲れるんじゃね?」
上山が言った。
「高校野球はそんなに甘くないだろ」
「おうおう。大物はやっぱり言うことが違うねぇ」
俺と上山のやり取りを聞いて浅野は苦笑い。
金子はケラケラ笑っている。

浅野は元チームメイトで、どんな奴かそれなりに理解しているつもりだ。
温厚な性格で、自己主張はあまりせず
良く言えば空気を読んで動いている。悪く言えば事なかれ主義。

金子に関しては、中学も違うし、ほとんどどんな奴なのかも知らない。
上山の連れというだけで一緒に来ただけだ。
上山の腰巾着で、最近はいつも一緒にいる。

はっきり言って、俺は金子をあまり好きではないし
金子も俺にはあまり近づこうとはしない。

アイツの第一印象は身長も体重も至って平均的。
運動神経もそんなに悪そうには見えない。
いかにも人の好さそうな雰囲気だった。

そして一つ、はっきりとわかったことは
野球が大好きなんだろうなということ。
野球部の練習を、目をキラキラさせて
食い入るように見つめていたからだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み