第8話 衝突

文字数 602文字

高坂と上山の関係は日に日に悪化していった。
そんなある日、水上さんが上山を呼び出した。
「上山。ちょっと児玉に対して厳しく言い過ぎじゃねぇか?」
「・・・」
「お前の気持ちもわからなくはないけど、
 1年があんまり出しゃばってると
 監督や先輩方から目付けられるぞ」
「はい・・・」

翌日、相変わらずアイツはエラーをしてばかりだったが
上山はいつものような怒声は浴びせなかった。

練習後、上山がアイツに歩み寄り
「あ~あ。お前のせいで水上さんに呼び出し食らっちまったよ」
「えっ?」
「お前さぁ、やっぱ辞めてくれよ。
 お前のせいで、俺達、練習に身が入んねぇし、先輩には怒られるし
 本当、迷惑なんだよ」
上山の横で金子がニヤニヤ笑っている。
そこに高坂が近づいてきた。

その様子に気づいた水上さんが
「おい!上山!ちょっと球拾い手伝ってくれ!」
上山をアイツから引き離そうとしてくれたのだろうが
この一言がかえって、上山を苛立たせてしまった。
「球拾いならこいつの方が良いんじゃないっすか?
 いっつも自分のエラーした球ばっかり追っかけて、球拾い慣れてるもんな」
「なんだとぉ!」
高坂が勢いよく、上山に詰め寄った。

水上さんと何人かの先輩が慌てて二人の間に割って入った。
「おい!お前らいい加減にしろ!」
先輩方の制止にも関わらず、高坂と上山は一歩も引かず
お互い今にも殴り掛かりそうだった。
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