第32話 ヘトヘト

文字数 582文字

部員たちが皆、笑顔で池崎くんを見ていました。
打った浅野先輩もホッとした様子です。
松島先輩はまた、素振りを始めました。

「チッ。たまたまグローブに入っただけじゃねぇか」
金子先輩が嫌味ったらしく言いました。
「1球取ったくらいでいつまでも喜んでんじゃねぇぞ!
 次だ!次っ!」
上山先輩の怒声が響きました。

「さぁこい!さぁこい!」
池崎くんはすっかり調子に乗って、元気いっぱいです。
次々とノックを受ける池崎くん。

「ファイト!ファイト!」
先輩は1年生以上に声を出しています。

池崎くんに代わって、
次々と1年生たちがノックを受けていきます。
ノッカーの2年生たちも、
全員、ヘトヘトになるまでノックは続きました。

「負けんな!負けんな!食らいついていけ!」
大村くんは最後まで、
上山先輩と見えない喧嘩をしているようでした。
「気合だ!気合っ!さぁ行こうぜ!」
池崎くんも最後まで、元気に声を出していました。
「頑張って!ファイト!」
私も負けずに声を出して応援しました。

最後の1年生のノックが終わりました。
全員、ユニフォームは泥だらけ。
疲れ果てて、辛そうな表情です。
池崎くん以外にも何人かは
体にボールを受けて、痛そうにしています。

そんな状況で、上山先輩が言った言葉に
全員が驚きを隠せませんでした。
「次っ!腕立て100回!」
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