第53話 あいつが決めたこと

文字数 614文字

「いいんだ。あいつが決めたことだ」
松島先輩がそう言うと、先輩は上山先輩の後ろ姿をしばらく見つめていました。

「やっぱり良くないよ」
そういうと先輩は上山先輩を追って、走り始めました。
「児玉さん!」
池崎くんが後を追おうとすると、松島先輩が池崎くんの腕を掴み
「やめとけ」
「は、はい・・・」
池崎くんは心配そうに、先輩の後ろ姿を見ていました。

「お前らは?どうする?」
松島先輩が他の2年生部員たちに問いかけました。
2年生部員たちはお互いに顔を見合わせ、ぶつぶつと何か話し合っていました。

他の2年生部員たちに促され、浅野先輩が口を開きました。
「できれば俺達は野球、続けたいんだけど・・・」
それを聞いて松島先輩は
「だったらこいつらに言わなきゃいけないことがあるだろ。
 上山の指示とは言え、お前らもこいつらしごきまくってたんだから」
1年生部員たちは驚いた様子でお互いに顔を見合わせています。
2年生部員たちもぶつぶつ何か話し合いながら顔を見合わせています。

また浅野先輩が口を開きました。
「今まですまなかった。許してくれ」
そういうと浅野先輩は1年生部員たちに向かって頭を下げました。
浅野先輩に続いて他の2年生部員たちも
「すまなかった」
「許してくれ」
と口々に言いながら頭を下げました。

「お前らどうだ?」
松島先輩が1年生部員たちに尋ねました。
1年生部員たちはお互いに顔を見合わせています。
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