第27話 お前はどうなんだ?

文字数 635文字

「松島さん・・・」
大村くんは松島くんを見つめている。
金子くんは大村くんを突き放すように手を放し、ベンチに座った。

「お前はどうなんだ?」
上山くんが松島くんに向かって言った。
「お前がやりたいなら、俺は別にお前でも良いんだぞ」
松島くんは静かに答えた。
「俺はキャプテンに興味はねぇよ。お前がやりたいならやれば良い」
「そんな!松島さん!」
大村くんが間髪入れずに言った。
「ただし、お前が本当にやる気があるならだ」
松島くんは上山くんを真っ直ぐ見据え、
上山くんも松島くんを真っ直ぐ見据えている。

少しの沈黙の後、
「はぁ?なんだよそれ。やる気あるに決まってんだろ。なぁ」
上山くんの問いかけに、金子くんはニヤニヤ笑っている。
「じゃあ、問題ねぇな」
そう言うと、上山くんは立ち上がり、部室から出て行った。
金子くん、2年生部員たちも後に続き、1年生部員たちも出て行った。

部室に残ったのは僕と松島くん、大村くんと池崎くんの4人だった。
松島くんが歩き出し、部室を出ようとしたとき
「松島さん!」
大村くんが呼び止めた。
「どうしてですか?なんで上山さんの好きにさせておくんですか?」
松島くんは立ち止まったまま、何も言わなかった。
「松島さんだってわかってるはずです。
 このままじゃチームがバラバラになりますよ!」
松島くんはそれでも無言のままだった。
「松島さん、何とか言ってください!」
松島くんは無言のまま、部室を出て行った。
「松島さん・・・」
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