第69話 名前ねぇじゃん

文字数 631文字

私達、陵成高校野球部が迎えた秋の大会初戦の日。
まるで夏のように、空は透き通るような青色で、雲一つない快晴。
太陽に照らされて、グラウンドの芝生が緑色に輝いています。

グラウンドでは私達、陵成高校の守備練習が行われています。
私は監督にボールを渡し、監督がノックをしています。
みんな溌溂とプレーをしていて、調子は良さそうです。
特に池崎くんはいつも通り元気いっぱい。

高坂先輩もチームメイトとの連携はばっちりです。
まだ少し遠慮されているようにも見えますが、
既に内野手のリーダー的存在になられていて、とても頼もしいです。

大村くんは先輩をキャッチャー役にブルペンで投球練習をしています。
大村くんも調子が良さそうです。

新チームになってから今日まで、本当に色々なことがあって、
一体、どうなってしまうんだろうと思いましたが、
今、こうしてチームが一つになって、みんな楽しそうに野球をしていて、
こんなチームのマネージャーができて、私はとても幸せです。

守備練習を終え、私達はベンチに戻りました。
「どうだ調子は?」
松島先輩が大村くんに尋ねました。
「はい、絶好調です!」
大村くんも元気に答えました。
「よし。でも今日は暑いからな。あまり飛ばし過ぎるなよ」
「はい!」

スコアボードにはスタメン選手の名前が発表されています。
その中に先輩の名前はありません。

そのとき、ベンチの上から声が聞こえてきました。
「あれ?あいつの名前ねぇじゃん」
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