第34話 嫌がらせ

文字数 662文字

「オラオラァ!声が小せぇぞ!」
「21、22、23、24・・・」
1年生部員たちは徐々に後れを取ったり、
声が出なくなったりしてきました。
そんな中、先輩は率先して声を出していました。
大村くんと池崎くんも負けじと大声を張り上げていました。

「48、49、50・・・」
「オラァ!どうした柿崎!」
1年生の柿崎くんが、
とうとう力尽きて塞ぎ込んでしまいました。

「71、72、73・・・」
「ほらほら、しっかりやれよ。
 まぁ、やるだけ無駄だけど」
金子先輩がニヤニヤしながら、
先輩の背中にバットの先を押し付けました。

「81、82、83・・・」
この頃には更に2人の1年生が脱落していました。

「91、92、93・・・」
「オラオラァ!サボってんじゃねぇのか?」
少し下げ方が浅くなっていた大村くんの背中に
上山先輩がまたがりました。
大村くんが腕を曲げたまま止まってしまいました。
「どうした!もうおしまいか?エース様よぉ」

大村くんは意地になって、急に強く腕を伸ばしました。
上山先輩は少しよろけながら
「なんだなんだ。できんなら最初っから真面目にやれよ!」
上山先輩はバットの先で
大村くんの背中を小突いて去って行きました。
大村くんは腕立て伏せをしながら、
上山先輩を睨み付けています。

「98、99、100!」
池崎くんのひときわ大きい掛け声とともに、
腕立て伏せを終えた1年生たちは、
全員、息を荒くして、大の字に仰向けになっていました。
そして、またしても上山先輩が
「次っ!腹筋100回!」
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