第92話 予期せぬ出来事

文字数 564文字

翌日、僕は休み時間に何度か上山くんの所へ行こうと思ったけど、
大村くんに言われたことが引っかかって、行くことができなかった。

放課後、着替えを終えてみんなでグラウンドへ行くと、
ベンチの前に辞めていった1年生部員4人が制服姿で整列していた。
その後ろで町村さんが笑顔で立っていた。

「みんな!」
僕はみんなの元へ走った。
「待ってくださいよ!児玉さん!」
池崎くんが後ろで叫んでいたけど、気持ちが前に進んでいて、もう止まれなかった。

「ちわーっす!」
4人が元気に挨拶をしてくれた。
「みんな!戻ってきてくれるんだね!」
僕がそう言うと柿崎くんが
「僕達、戻らせて頂けるでしょうか・・・」
「もちろんだよ!」
ようやく他のみんなもやってきた。
大村くんは池崎くんに付き添って、遅れてこっちに向かっている。

「すいませんでした!」
4人が揃って頭を下げた。
「やめろよ」
松島くんが言った。
4人は頭を上げ、岩田くんが
「俺達、大会近いのに、逃げてしまって、本当にすいませんでした」
「すいませんでした」
4人はまた頭を下げた。
「俺達、本当は野球やりたいんです。野球部に戻らせて下さい。お願いします!」
「お願いします!」
4人はまた深く頭を下げた。
松島くんは4人の姿を笑顔で見つめながら
「もちろんだ。戻って来い」
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