第10話 隠匿

文字数 4,635文字

——ラ・クリマス大陸暦999年6月12日 21時頃 ヒュミリア州南西部某所


 壊月彗星(かいげつすいせい)が照らす(くら)い空を、カリムは紫紺(しこん)のローブの内に仕込んでいたパラシュートで悠々(ゆうゆう)と下降していた。
 その間にも雑木林の底で逃げるように少しずつ移動していく影を視線で追っており、その方角が行き着く先を上空から推測していた。

 竜巻によって散々(さんざん)たる有様になった広場に着地すると、()ぐに待機させていた馬車と合流し、推測した地点の近くまで先回りをし始めた。

 黒尽(くろづ)くめの御者(ぎょしゃ)もまた『(かげ)の部隊』の一員であると思われたが、一貫して素性(すじょう)も明かさないどころか声すら発することもなくカリムの指示に従うのみであった。


 そしてカリムが池を(たた)えた名もなき広場に身を(ひそ)めていると、10分も経たないうちに標的であるリリアン・ヴァニタスが満身創痍(まんしんそうい)の姿で右手側の茂みから現れた。
 
 上等そうな桃色地のドレスは痛々しいほどに乱れており、リリアンは脚を引き()るように池の(ほとり)へと近寄っていった。
 カリムは彼女が相当に弱っていると見て『封印』の機を(うかが)っていたが、突然リリアンは壊月彗星(かいげつすいせい)に向かって(おのの)くような声音を上げた。

 何者かと会話しているように聞こえたが、現にリリアンが後退(あとずさ)る前には人影すら存在していなかった。
 だがカリムはそれを『宿主』の極限状態であると(ただ)ちに察し、一気に距離を詰めて背後からディヴィルガムを突き付けた。

 リリアンは最期(さいご)まで後方を振り向くことなく、只管(ひたすら)に謝罪を口にしながら、全身が淡い空色(そらいろ)の粒子となって崩れて隕石に吸い込まれていった。

 
 カリムは周囲にもう一度人気(ひとけ)がないことを確認すると、ローブの内から取り出した液瓶の(ふち)にディヴィルガムの先端部分を傾けた。
 着装されている隕石からは(かたまり)となった空色(そらいろ)の粒子が(こぼ)れ落ち、瓶の中の液体はそれを受け止めるようにうねって(たちま)ち凍り付いた。

 カリムはその原理を(いま)だに知る(よし)もなかったが、2体目の悪魔を無事『封印』出来(でき)たと判断すると、早々に馬車へと戻って帰路に就いた。
 終始無表情を貫いていたが、内心では早くも2つ目の手柄を立てられたことに充実感を覚えていた。

 とはいえ今回は『悲嘆(ひたん)の悪魔』の場合とは異なり、

宿

に対する身辺調査や誘導が自分の目に見える範囲でもかなり具体的で、手柄の比重は()して大きくはないように思えていた。

 だがその回り(くど)い一連の計略は、『虚栄(きょえい)の悪魔』を『封印』するうえで必然だったと頷けるものであった。



『『虚栄(きょえい)』とは外面(そとづら)を取り繕い上辺だけの栄誉を望むことを指すが、自己の境遇や環境から特定の他者に対する羨望(せんぼう)や理想像を重ね、あわよくばその他者に取って代わりたいという衝動がその悪徳の根源だと言われている。』

『『虚栄(きょえい)の悪魔』は風を自在に操り竜巻などの被害を引き起こすが、それは根源たる衝動を維持するための手段でしかない。標的として執着する他者を(あや)めたうえで、魔力を用いてそっくり成り済まし生き(なが)らえることが本質的な能力であると言える。』


『とはいえ容姿や声を上書きすることは出来(でき)ても、性格や記憶まで補えるわけではない。どこまで他者に成り済ませるかは『宿主』次第であり、矛盾や襤褸(ぼろ)が相次げば存在そのものが危ぶまれることとなる。何せ他者に成り済ますということは、限りなく自分を破棄することを意味するからな。』

(ゆえ)に『宿主』は偽装に危機が生じれば、猛烈な風によってあらゆるものを拒絶し疑惑ごと吹き飛ばそうとする。あくまでその風は自然物であり、蒼炎(そうえん)と違いディヴィルガムで防ぐことは出来(でき)ないと考えられる。だが『宿主』を弱体化させるには、正体を暴こうと可能な限りの嫌疑(けんぎ)を差し向けることも必要だ。これらを踏まえ、

『封印』に(のぞ)んでもらいたい。』



 他者に成り済ます者へ最も効率的に対処するためには、その正体を最初から(つか)んでいることが何より好都合であった。
 密輸などの違法な取引が常態化していたヒュミリア州のメンシス港では(かね)てより『(かげ)の部隊』による諜報(ちょうほう)活動が行われていたこともあって、標的の候補は事前に洗い出されていた。

 領主であるエクレット伯爵(はくしゃく)の邸宅に侍女として潜入した者までいたことにはカリムも流石(さすが)に驚いたが、その入念な下準備が功を奏して領主の箱入り娘であるネリネ・エクレットを——(いな)、彼女に成り済ましたリリアン・ヴァニタスという海賊団首領を馬車にて連れ出すことに容易(たやす)く成功していた。


 カリム自身も大陸議会の事務官に扮して事情聴取の真似事(まねごと)をしつつ、羊皮紙(ようひし)に報告書の原案を書き連ねるなどしていたが、いつ不満を暴発させても可笑(おか)しくない標的の監視を続けることには(いささ)か骨が折れた。

 露骨に横柄(おうへい)な態度は令嬢を演じる魔力を節約しているように見えた一方で、常に懐疑や警戒を(おこた)らないよう振る舞っており、互いに腹の探り合いをしているかのような緊張感があった。
 だが表面上は大陸軍による護送や調査とあってか、彼女は一貫して過度な反発を自重しているようで、結果的に都合良く段取りが進められた。

 そうして標的を予定の地点へ着実に誘導し、仮設の宿舎にて休息をとらせると見せかけて寝込みを襲撃する…それが二次被害を最小限に抑えつつ悪魔を『封印』するために『(かげ)の部隊』が(くわだ)てた計略であった。

 
 仮にそれが失敗した場合は当然に正面から悪魔に挑むことが想定され、『宿主』の行動を予測した対応策が立案されていた。
 (すなわ)ち地形として背の高い防風林に囲まれている以上、『宿主』は敵を吹き飛ばすために上空へ舞い上がる必要があることから、身の危険を(ともな)うが直接的に捕らわれることで逆に至近距離から『封印』を試みるというものであった。

 (ゆえ)にディヴィルガムを手放さぬよう右手にきつく固定し、ローブの内側にはパラシュートを仕込んでいた。
 だがその魂胆(こんたん)(まま)ならなかった場合に備えて、カリムは第3の手段として蒼炎(そうえん)による反撃を

画策していた。




「議長、ディヴィルガムについてなんですが…『封印』を終えた後も()だ隕石の中で、何か(あか)い光の粒みたいなものが渦巻いているように見えるんです。」


 ディレクタティオを()ったカリムは大陸議会のとある一室を訪れ、議長であり『(かげ)の部隊』統括者であるルーシー・ドランジアに凍結した封瓶と報告書を提出したのち、古びた杖に生じた違和感について尋ねた。

 『封印』は確かに指示通りの手法に(のっと)り完了させたはずだったが、先端に着装された隕石の内部には残り(かす)のようなものが(ただよ)っており、どこか不備があったのではないかと恐る恐る見解を求めていた。

 一方のルーシーは(しば)し隕石部分を観察した後、それが『悲嘆(ひたん)の悪魔』の魔力の残滓(ざんし)であるとの推測を立てた。


「恐らく隕石内部に(いく)らかの魔力が保存されているのだろう…(わず)かながら厄災と似た力を(ふる)える可能性を秘めているようだ。前例がない以上何とも言えないが…例えば『悲嘆(ひたん)の悪魔』と同じように

、その力を放出出来(でき)るのかもしれないな。」


「…『封印』措置が不十分だったというわけではないのですね?」


「それに関しては問題ない。原因は恐らく例の検証実験の…いや、何でもない。このままでも次なる『封印』に支障はないと思うが、念のため今後の取り扱いには注意しておけ。新たに判明する事象があれば報告するように。」


 ルーシーには何やら変異の原因に思い当たる(ふし)があるようだったが、そこにカリムの関心はなく、ただ『封印』に瑕疵(かし)がなかったことに胸を()で下ろしていた。

 (むし)ろ悪魔に対抗する願ってもない対抗策として可能性を見出(みいだ)せたことに高揚していた。
 一方で一度試せばそれきりになってしまいそうな気がして、土壇場(どたんば)で発動を試みることを承知で温存するという無鉄砲な算段となっていた。



 だが結果として、カリムはその秘策を繰り出す余裕がないほどに追い詰められていた。
 リリアン・ヴァニタスという『宿主』の身辺情報は把握していたが、洗練された体術は純粋にカリムの反射神経を凌駕(りょうが)し、以前対峙(たいじ)した修道女とは別の意味で圧倒されていた。

 痛烈に蹴り飛ばされ樹木に激突した時点で右腕から全身にかけて(ひど)(しび)れが(はし)り、胸座(むなぐら)(つか)まれて空中に連れ去られてからも、悲鳴のように(うな)る暴風の中で意識を保つことに精一杯だった。

 竜巻の中心は無風だと聞いていたが、(しび)れた右腕は風圧も相まってとても持ち上げられそうになく、ディヴィルガムに残る悪魔の力も(いく)ら念じたところで一向に発現しなかった。


 そんななか空色(そらいろ)の瞳を揺らめかせるリリアンの(わめ)き散らす声が降り掛かかり、嫌でも彼女の主張を聞き入れざるを得なかった。


『あたしはねぇ、ただ平穏な人生を送りたいだけなんだよ! …(ほっ)する物が与えられて、(ほっ)する(まま)に生きられることが人間としてのこの上ない幸せだろう? 誰だってその幸せを望んで(つか)もうとする権利くらいあるだろう!?』

『でもあたしには生まれてこの方そんなものはなかった! 海賊団の首領の下に生まれたその時点で堅気(かたぎ)とは程遠い存在で、その親も早々に()って、腐った世界に縛り付けられたあたしにとって、人並みの幸せがどれだけ(まぶ)しい夢物語だったか、あんたに想像できるの!? …だからあたしは、全部何も無かったことにした!!』


 そのときカリムには、明確な同族嫌悪(けんお)が生まれていた。

 彼女が悪徳に(おぼ)れて他者の人生を乗っ取ったことは自明であったが、その衝動を面と向かって正当化されることに対しては(おの)ずと反発が湧き上がっていた。


——俺だってこの奇怪な左目がなければ他人(ひと)の視線に(はばか)ることも、身内に捨てられることもなく人並みの幸せってのが享受出来(でき)たのかもしれない。でも幸せに生きる権利なんてものが当たり前に人に備わっているとしても、それは誰にでも掲げられるものじゃないし、そもそも掲げられる場所に自分が立てているとは限らない。

——身の程を(わきま)え受け入れることで、初めて自分に相応(ふさわ)しい幸せを自覚出来(でき)るんだ。自分を偽り隠蔽(いんぺい)を重ねたところで、理想の幸せなんて(つか)めやしない。…いや、(つか)むなんてことが許されて(たま)るものか!!



 カリムが仮面越しにリリアンを(にら)み返しながら心の中で怒鳴(どな)り返したとき、不意にディヴィルガムの先端と胸の内が見えない糸で結び付けられたような感覚に(おちい)った。

 次の瞬間には隕石から蒼炎(そうえん)(あふ)れ出し、竜巻に(まと)わり付いて(あお)き火災旋風を引き起こしていた。
 カリムの着用していたローブは『悲嘆(ひたん)の悪魔』と対峙(たいじ)したときと同じ耐火性であり、ドレス姿のリリアンとの影響の差は歴然であった。



『封印』に至る一連の報告を読んだルーシー・ドランジアは、無茶で目立つ選択を()ったカリムに対してあまり良い顔をしなかった。

 だがディヴィルガムの新たな運用方法が共有されたことや、他の隊員らと協力し的確な状況判断を(つな)げていったことが評価され、軽微な注意のみで済まされた。
 カリムは低頭しつつも内心舌を出し、次なる悪魔との対峙(たいじ)に備えて(みずか)らを鼓舞していた。


——決して楽とは言えないけど、なんとか悪魔に応戦出来(でき)ている。有用な手札も1枚増えた。この調子なら、残りの悪魔もいつか俺の手で『封印』出来(でき)るかもしれない…!


 ディレクタティオで一線を超えたカリムは、『宿主』を消滅させることへの抵抗が薄くなりつつあった。

 厳密には悪徳に(おぼ)れた者への嫌悪(けんお)軽蔑(けいべつ)を盾に自己の振る舞いを正当化し、『(かげ)の部隊』の本懐(ほんかい)()げることだけを見据(みすえ)えることで、また1つ業を背負った現実から目を()らしていた。
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登場人物紹介

【ドール】齢19の修道女。

▶ラ・クリマス大陸北西部にあるディレクト州の歴史ある街ディレクタティオで暮らしており、グレーダン教の総本山であるディレクタティオ大聖堂に連なる修道院に属している。

▶生まれつきの白髪が忌み嫌われ、赤子の頃に大聖堂に託された孤児だった。

▶対人関係が希薄なため幼い頃から本の虫であり、好奇心が旺盛。

▶その性格が災いしてか、あることをきっかけに異端者、廻者として糾弾されることになり、その理不尽な仕打ちを機にラ・クリマスの悪魔を顕現させてしまう。

【死神】ドールの命を狙い対峙する謎めいた人物。

▶グレーダン教徒に似た紫紺のローブを纏い、真っ白で無機質な仮面を着けている。

▶グレーダン教に代々継承されてきた司教杖に似た、武器と言い難い杖を構える。

▶その先端に着装された黒い鉱石からは、悪魔を脅かす不思議な力が醸し出されている。

▶「死神」という名称は、ドールが便宜上付与したものにすぎない。

【ネリネ・エクレット】齢16の貴族令嬢。

▶大陸南東部ヒュミリア州、2大交易都市の1つであるメンシスを治める領主ホリー・エクレットの1人娘。

▶穏やかで物腰柔らかな性格だが、箱入り故に世間知らずである。艶のある金髪の持ち主。

▶だが突如メンシスを襲った猛烈な竜巻で被災し、親も家も失う。

▶街の再建を大陸軍に任せて親戚の元へ身を寄せることになるが、その言動はまるで別人になったようであった。

【カリム】大陸議会の事務官を名乗る青年。

▶年齢はネリネと同じくらいと思われ、左目を前髪で隠しており陰気そうな印象である。

▶身に付けている赤を基調としたシャツと議会所属を表すバッジを留めた黒地のチョッキは所定の制服のようなもの。

▶馬車に乗りメンシスを去るネリネに随行し、竜巻被害について聴取しようとする。

▶大陸北東部の孤児院の出身で、過去に何か苦い経験をしているようである。

【リリアン・ヴァニタス】ヴァニタス海賊団の若き首領。

▶巻き毛の金髪が特徴で、体術では随一の戦闘力を持つ。

▶急逝した父の遺言により、齢16にして首領の座を継承しているが、経験が乏しく未熟であるため、父の右腕であった幹部ローレンの助力を得ながら海賊団を存続させている。

▶海賊団はアルケン商会という善良な団体を騙る裏で、密輸品などの取引を働いていた。

【ロキシー・アルクリス】齢17の女使用人。

▶大陸中央部プディシティア州にあるセントラム農業盆地の領主クレオーメ・フォンス伯爵の別邸に仕える。

▶物心ついた頃から母レピアと共に別邸に棲み込みで従事しており、あまり外界との接触がない。

▶長い藍色の髪をしており、やや陰鬱な印象とは裏腹に齢離れした恵体の持ち主。

▶使用人長でもあるレピアとともに好からぬ秘密を抱えており、大陸軍側からの詮索を敬遠している。

【ルーシー・ドランジア】大陸平和維持軍 国土開発支援部隊の隊長。

▶すらりとした上背に長い黒髪を湛え、銀縁の眼鏡の奥に黄金色の瞳を覗かせる齢28の女性。

▶メンシス港の機能停止を受け、セントラムの生産品の出荷計画などを見直すべく部隊を牽引しフォンス邸別邸を訪れるが、密かに別の目的も念頭にあるらしくロキシーに探りを入れる。

▶飄々として掴みどころのない性格。身内も大陸議会の関係者であるらしい。

【ステラ・アヴァリー】齢24の孤児院管理人。

▶大陸北東部カリタス州の新興都市グリセーオで大陸軍が設立し運営を委託するジェルメナ孤児院に従事している。

▶領主キーウィ―・アヴァリーの1人娘であり、2年前に母から管理人の立場を継承している。

▶赤みがかった茶髪を三つ編みで束ねている。世話焼きで責任感や正義感が強い。

▶過去に厄災を経験して以来、1人でも多くの親なき子の命を護りたいと身を粉にして働いているが、結果としてこれ以上収容できないほどの孤児を拾ってしまい、食糧などの遣り繰りに頭を悩ませている。

【リオ】かつてジェルメナ孤児院で暮らしていた少女。

▶物語開始時点から7年前、グリセーオ西端を流れる川に独り漂着していたところを救助されたが、虚弱体質に陥っていたためジェルメナ孤児院に引き取られ静養することになる。

▶救助以前の記憶をほとんど引き出すことが叶わず、当時は齢7,8程度と推測されていた。

▶2年後に『強欲の悪魔』を顕現させてしまい、命を落としている。栗毛と鈍色の瞳が特徴。

【ピナス・ベル】伝説の瑠璃銀狼の血を引くラピス・ルプスの民の少女。

▶外見は齢12,3ほどだが、人間と比べて齢を重ねる間隔が緩やかで、既に30年生きている。

▶大陸北部アヴスティナ連峰の中腹にあるクラウザという集落で同胞と共に密かに暮らしている。

▶とある目的を果たすため『貪食の悪魔』を宿して鳥の姿となり、大陸西部へ向かっている。

▶7年前のとある出来事で人間側との軋轢を経験し、その際に『貪食の悪魔』を宿した母を失っているほか、サキナとも面識をもっている。

【オドラ―・ベル】ピナスの祖父であり、クラウザの集落を束ねる長老。

▶齢200を超え、ラピス・ルプスの民の特徴である銀色の毛並みは灰色にくすみ、全身毛むくじゃらである。

▶大陸の人間が内戦時代を経て現代に至るまでの歴史だけでなく、千年前から続く厄災についても口伝により知識を蓄えている。

▶人間と対立する気はないが、緩やかに数を減らしてく一族の行く末を憂い、『貪食の悪魔』を同胞から生み出さぬためにも、人間の手を借りてでも種を存続させるべきか思案している。

【クランメ・リヴィア】齢28の博物館職員兼調査研究員

▶大陸西部グラティア州、首都ヴィルトス近郊のアーレア国立自然科学博物館に従事している。

▶やや小柄で、分厚い眼鏡と象牙色の髪が特徴。大陸南西部ミーティス州の農村出身で、独特な訛りで喋る。

▶ルーシーとはグラティア学術院で同期生の関係だが、当時はあまり好ましい印象を抱いていなかった。

▶ラ・クリマスの悪魔の『封印』に関わるとある仕事を引き受けている。

【イリア・ピオニー】齢26にして大陸平和維持軍 国土開発支援部隊の隊長を務める軍人。

▶桃色がかった金髪と強い正義感の持ち主。国の平和のため心身を尽くそうとする厳格な性格。

▶現代に至る国内軍事を統括し続けた由緒あるピオニー家の娘。父ジオラスは元帥の地位にあり、2人の兄も同じく軍人である。

▶十代のころに出会ったルーシーの理想に感銘を受け、励まされたことでその背中を追い続けている。

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